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鴻海、デルのノート受注5倍増へ


ニュース 電子 作成日:2010年7月5日_記事番号:T00023793

鴻海、デルのノート受注5倍増へ

 
 市場観測によると、EMS(電子機器受託生産サービス)世界最大手で2年前にノートパソコン受託生産に参入した鴻海精密工業は、世界3位ブランド、デルから来年分500万台を受注した。今年の100万台から一気に5倍となり、デルの主要生産委託先の緯創資通(ウィストロン)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)にとって大きな脅威となりそうだ。5日付経済日報が報じた。

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 企業向けノートPCに強みを持つデルはこのほど、受託メーカーと来年の発注台数について協議を始めた。業界関係者によると、ウィストロンとコンパルへの来年発注はそれぞれ1,000万台、800万~900万台にとどまり、今年の900万~1,000万台、800万台からは微増の水準で、鴻海への委託拡大が際立っている。

 証券会社は、鴻海は規模の上では上位2社に追いつかないものの、十分にプレッシャーを与えると指摘。特に、品質と信頼が重視されるビジネス機種の受注は、鴻海がブランド顧客の信用を勝ち取ったことを意味し意義深いと強調した。

 林憲銘ウィストロン董事長は、ノートPCの世界市場全体の予想出荷規模は今年2億台で、来年成長が見込まれる20%に当たる4,000万~5,000万台を鴻海が独り占めすることはないとみられるものの、ライバルが1社増えることは懸念事項だと語った。 陳瑞聡コンパル総経理は、鴻海は来年、ノートPC受託市場でのシェアを8~10%まで拡大させると予測。世界市場を2億5,000万台として試算すると、鴻海の出荷は2,000万台に上り、大手受託メーカーの仲間入りを果たすとの見方を示した。

来年が勝負の分かれ目

 あるノートPC業界関係者は、鴻海にとって生産を拡大する来年こそが、研究開発(R&D)力と製造力を試される勝負の年になると指摘した。出荷が順調で良い品質を維持できれば、再来年は大手ノートPCブランドからのさらなる受注拡大を期待できるとの見解だ。

 証券会社は鴻海の強みとして、グループ傘下の部品メーカーとの協力体制による受注価格での競争力を挙げている。鴻海のノートPCサプライチェーンは、▽鴻海、組み立て・ケーブル・コネクター▽奇美電子(チーメイ・イノルックス)、液晶パネル▽鴻準精密工業(フォックスコン・テクノロジー)、フレーム・放熱モジュール▽広宇科技(パン・インターナショナル)、ケーブル・コネクター▽正イ精密工業(フォックスリンク、イは山の下に威)、コネクター▽建漢科技(サイバータン・テクノロジー)、無線モジュール▽新普科技(シンプロ・テクノロジー)、バッテリーモジュール──など。

【表】