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作成日:2010年7月7日_記事番号:T00023852
パワーチップ、「12年まで新工場建てない」
DRAM大手、力晶科技(パワーチップ・テクノロジー)の黄崇仁董事長は6日、「盲目的に増産を行って巨額の損失を出すといった失敗を繰り返さないため、2012年までは新工場の建設は行わない」と表明した。黄董事長はかつて「当社は1年に1基ずつ12インチウエハー工場を追加する」と発言していたが、ここ数年の苦境を経て方針を転換した形だ。7日付経済日報が報じた。
パワーチップが同日発表した上半期の純利益は過去最高の102億7,000台湾元(約279億円)となった。昨年6月は総額1億5,800万米ドルの海外転換社債の償還期限を迎えるにもかかわらず、手持ち現金が5億元しかない苦しい状況に陥ったが、それからわずか1年で100億元の利益を回復し、黄董事長は「奇跡としか言いようがない」と語った。
黄董事長は今後のDRAM市況について、「サムスン電子が生産能力の拡充を計画しているが、同業他社との増産競争に陥ることは絶対にない」とした上で、短期内に業界で新たな生産ラインが稼働する見込みもないことから、第3四半期のDRAM価格変動幅は1割前後にとどまると予想している。
さらに「当社は現在、資金および技術に問題はない」と強調し、下半期は171億元以上の純利益を上げて、2006年に記録した過去最高利益を更新すると意気込みを示した。