台北市のバス停では、何本もの路線案内表示柱が林立している光景をよく見かける。この表示柱、もともと同市には約6,000本が存在し、平均して2路線につき1本の割合で設置されていたが、台北市交通局では2007年から4~6路線を1本にまとめる更新作業を進めており、現在既に5,000本にまで減っている。作業は9月に完了予定で、表示柱の数はさらに減少する見込みだ。
スマート型の新バス停表示。バス到着時刻は表示されておらず、ポール中央部の路線図も回転せず、つめの甘さが感じられる(YSN)
ところが、更新作業に当たり台北市は6種類の新表示柱を採用したため、旧タイプのものを合わせて現在、市内には7種類もの異なる表示柱が乱立する結果となって混乱を招いている。
新しく採用された表示柱は、大きく分けてポール型のものと立て看板型のものがあり、さらに、ポール部分の周囲に取り付けられた路線図を回転させて見られるタイプや、バスの到着予想時刻をデジタル表示する「スマート型表示」などが存在する。
ある市民は「種類の違う表示があると、運賃やバス車両のレベルに違いがあるのかと誤解する」と問題点を指摘。またある市民は、忠孝東路五段と基隆路交差点のバス停にある表示柱について、「同じ路線の表示柱なのに旧型のものと新型のもので100メートル以上も離れた場所にあり、むちゃくちゃだ」と憤る。
さらに、観光客も多く訪れる都市交通システム(MRT)新北投駅のバス停では、4種類もの表示柱が混在し、市民からは「見てもわけが分からなくなるだけ」と不満の声が。なお同駅のバス停表示柱には平板型ものも採用されているが、「墓石みたいで見栄えが悪い」とデザインそのものを否定する意見も上がっている。
台北市公共運輸処は「新しく採用した表示柱は、歩道の状況によって設置するタイプを決めており、今後これを統一することはない」と説明しているが、利用者の不満が今後も続くようであれば何らかの対策が必要となりそうだ。