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石油・化学
作成日:2010年7月12日_記事番号:T00023930
力鵬企業6月28%減収、CPL価格急落で
力麗集団(LEALEA)傘下のナイロン大手、力鵬企業の6月売上高は前年同月比28.36%減となる11億2,800万台湾元(約31億円)だった。原料となるカプロラクタム(CPL)価格が急落し、川下メーカーが模様眺めに入り需要が減退したことが主な要因とみられる。同社は受注が2割程度減少したため、既に約50%の減産で対応しており、6月の販売額は3月の3分の1まで縮小しているという。12日付蘋果日報が伝えた。
ナイロンチップは年初、CPL価格が高水準だったことでオファー価格が1トン当たり3,000米ドルまで上昇していた。しかし、原油国際価格の下落や中国での夏季電力供給制限に伴い、CPLとナイロンの相場がともに下落している。
アジアのCPL価格は現在、1トン2,500米ドルと5月中旬に比べ8%下落、特に台湾から中国向けの陸揚費用込みCIF条件価格は同2,350米ドル前後まで下がっている。一方ナイロンチップも、中国向けスポット価格が同2,800米ドルと、1週間の下落幅が2.8%に達している。
力鵬は現状について「価格が極めて不安定で、今後の見通しも不透明」と表明している。ただCPL価格は第3四半期中に回復に向かい、関連メーカーの出荷量も適正な水準を回復すると証券会社はみている。