鴻海科技集団（フォックスコン）の売上高に対する米アップルからの受注による貢献は来年、１兆台湾元（約２億8,000万円）に達するとの見通しが12日、シティグループ・グローバル・マーケッツのアナリスト、張凱偉（ケビン・チャン）氏によって示された。13日付工商時報が報じた。
張氏は「アップルは鴻海への依存度を高めており、鴻海でアップル向けの生産を担当する従業員は今年の年末時点で30万人、来年には35万人に増える。アップルが発注先を分散しようとしても、鴻海に代わる存在を見つけるのは困難だ」と指摘し、アップルからの受注拡大が鴻海の業績拡大に直結するとの認識を示した。
張氏はまた、鴻海集団が中国の生産拠点で大幅な値上げに踏み切ったことについて、「賃上げが収益に影響を与えたとしても、顧客との価格交渉余地が拡大し、赤字業務の比率を大幅に減らすことが可能になる」と述べ、業績にはむしろプラスの効果を生むとの分析を示した。
張氏は鴻海の目標株価を165元に引き上げるとともに、投資スタンスを「買い」に引き上げた。
