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石油・化学
作成日:2010年7月14日_記事番号:T00023985
国光石化の環境影響評価、イルカ問題でさらに遅れ
行政院環境保護署は13日、環境影響評価が難航している国光石化科技(KPTC)の大型石油化学プラント(彰化県大城郷)をめぐる専門家会議を開き、焦点となっているシナウスイロイルカの保護問題について協議した。専門家は国光石化側が提出した対策を「やや安易過ぎる」と判断し、追加書類の提出を求めた。これにより、環境影響評価の手続きはさらに遅れる見通しとなり、年内着工の可能性はより不透明となった。14日付経済日報などが伝えた。
国光石化は国立台湾大生態学・進化生物学研究所に依頼し、石化プラント建設でイルカの回遊ルートが完全に遮断されることはないとする内容の報告書を提出するとともに、イルカ保護対策案を提示したが、理解を得られなかった。
呉敦義行政院長は同日、環境影響評価は尊重すべきだと前置きした上で、「物事の軽重を見据え、全体的なバランスを考えるべきだ」と述べ、経済発展と環境保護を両立させた結論が早期に示されることに期待感を示した。
国光石化の陳宝郎董事長は「イルカ問題を誠意を持って解決しようとしている点を外部に理解してもらい、支持を得ていく」と語った。
一方、国光石化のプラント建設に反対する中央研究院院士ら18人は、湿地の生態系や住民の健康に影響が懸念されるなどとして、反対署名に名を連ねた。