野党民進党は14日、今年11月の直轄市長・市議会議員選挙で、同党所属の市議候補者に対し、選挙活動に当たって同党以外の組織に参加したり他組織の候補者と新たにグループを組むことを禁止した。陳水扁前総統の主導する「一辺一国連線」と一線を画し、その勢力拡大を阻むことが狙いとみられている。15日付中国時報が報じた。
陳致中氏(中)。民進党の最大の懸念は、陳前総統が選挙前に仮釈放されて陣営が混乱することで、決定はそれに向けた予防措置のようだ(15日=中央社)
「台湾と中国は別々の国」という意味の「一辺一国」は陳前総統が在任中の2002年8月に行った発言で、今も独立派にとって魅力あるスローガンとなっている。「一辺一国連線」には20数人の民進党市議会議員候補者のほか、陳前総統の長男で、無所属として高雄市議選に立候補する陳致中氏、および現職の高雄市議、鄭新助氏が名前を連ねている。
民進党の決定に対し陳致中氏は、「『一辺一国連線』は本土派の力量を結集した最大公約数であって党派ではなく、共同での選挙活動などは言うに及ばない。民進党は過度に反応する必要はない」と困惑気味だ。
民進党中央常務委員の中には、「一辺一国連線」との線引きを徹底すべきという意見もある一方で、「陳致中氏、鄭新助氏は党友であり線引きは心情面から好ましくない」との声も出ている。