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作成日:2010年7月16日_記事番号:T00024032
人食いザメがまた出没、海水浴場は客入り半減

先週9日、南部で人食いザメが出没しているニュースをお知らせしたばかりだが、その続報が入ってきた。15日にまた1頭、新たにオオメジロザメが出現し、いったん漁師に捕獲されたものの逃げてしまったというのだ。南部海域で人食いザメが捕獲されたのはここ2カ月で4匹目となる。
屏東県車城・尖山海域の沿岸部で、養殖網にひっかかって死んでいるオオメジロザメ3頭が発見されたのは、6月のことだった。体長が最大3メートルにも達する、非常に攻撃性の強いオオメジロザメは「人食いザメ」として恐れられているが、これまで台湾近海に出没することは少なかった。
今回、発見されたオオメジロザメは、体長約2メートル、体重400~500キログラム。漁に出ていた漁師の針に偶然かかったものだが、港へ引っ張って帰る途中、その鋭利な歯でフックをかみ切って逃げてしまったという。
負傷したサメは攻撃性が一段と増し、非常に危険とされることなどから、オオメジロザメが出没した同海域のビーチでは、観光客がめっきり減っている。当然、サンドバギーや水上バイクなどのレクリエーション業者の商売も上がったりで、人食いザメの影響で客入りは半減してしまったとか。これからの夏本番を前に泣くに泣けない状況だ。
一方、同海域から約20キロ離れた有名リゾート地、墾丁のビーチではまだ影響は出ておらず、観光客でにぎわっている。墾丁国家公園管理処は、人食いザメが墾丁の沿岸部にまで南下して観光客に害を与える確率は低いと見ているものの、パトロールを強化しているという。
平和なビーチを襲う巨大な人食いザメの恐怖を描いた米映画「ジョーズ」(1975年、スティーブン・スピルバーグ監督)が、世界中の人々にショックを与え、大ヒットしたのが35年前。当時、この映画を観た多くの観客がビーチで泳げなくなるという後遺症が残ったというが、台湾で人食いザメの恐怖が現実とならないよう、侵入防止網を設置して警備を強化するなど、観光客の安全確保も必要だろう。