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作成日:2010年7月16日_記事番号:T00024033
澎湖でオニヒトデ異常発生、駆除に政府支援呼び掛け
サンゴ虫を捕食するため「サンゴの敵」と呼ばれる大型ヒトデ「オニヒトデ」が澎湖県西吉島海域で大発生している。健康な珊瑚礁(さんご礁)の海域で、1万平方メートルの海域に20~30匹のオニヒトデが生息している場合、「大発生」とされるが、中華民国珊瑚礁学会が先月、同海域で行った調査では、水深6メートル(m)の地点に設置した、長さ50m、幅4mの調査エリアの中に10匹が確認された。これは1万平方メートルに換算すると500匹が生息している状態で、珊瑚礁への影響が懸念されている。中央研究院生物多様性研究センターの鄭明修研究員は、「オニヒトデの駆除には豪州や沖縄でも行われている人力駆除が欠かせない」として政府に支援を呼び掛けている。16日付自由時報が報じた。
紅海、インド洋、太平洋熱帯地域に生息するオニヒトデは、毒を持つ棘(とげ)に全身を覆われ、直径は大きいもので1m近くにまで成長する。人が棘に刺されると血が凝固せず、1日中流血が続くという。また、再生能力があるため、人力駆除の際は、長い棒で切断しないように中央部を突き刺し、捕獲する必要がある。
今回の大発生について鄭研究員は、2008年に発生した寒波により、同海域でオニヒトデの幼生を捕食する魚が大量に低温死したこと、一方で幼生の餌となる藻類が増えたことが要因となった可能性があると指摘している。