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作成日:2010年7月19日_記事番号:T00024061
北海岸の観光スポット占拠、移動式カフェが取締対象に

野柳や金山、翡翠湾など風光明媚な観光スポットを有する台湾北部の北海岸の人気が急上昇している。ブライダルアルバムの撮影スポットとしても名高い北海岸、近年は週末になると大量の観光客が押し寄せ、夏休みともなれば終日交通渋滞が続くほどだ。日本や韓国など海外からの観光客も増えており、昨年は延べ180万人が訪れた。今年は延べ200万人を突破すると予測されている。
ところが最近、これら激増する観光客を目当てに、雨後の竹の子のように出現している屋台業者の存在が問題化している。たとえば、野柳の駐車場で商売をする移動式屋台や、海岸沿いのスポットを占拠して営業する移動式カフェなどで、風景区の景観を損なう原因ともなっているのだ。
移動式カフェが集中しているのは、海岸線沿いに延びる省道台二線の29キロ~39キロ地点。金山、万里、石門などのあたり約10キロにわたり多くの業者が軒を連ねており、いずれも景観の良い特等席ともいえる場所を占拠している。
そのため、観光客は移動式カフェで1杯50~100元する飲み物を注文しなければ、業者が設置したテーブルには着けず、「お金を使わなければ海辺の美しい風景を楽しめないなんて」という苦情が出るようになった。
こうした観光客からの苦情が増えたことを受け、管理組織である交通部観光局北海岸及観音山国家風景管理処(北観処)が北海岸の違法屋台業者に対する指導チームを結成。取り締まりに乗り出した。
朱伝緯北観処処長によると、移動式屋台業者はもともと登録済みの113業者を57業者に縮小し、交代制で営業させ、1業者につき6,000元の保証金と1カ月当たり600元の場所代と清掃費を徴収する方針だ。移動式カフェ業者に対しては、適切な場所に移動して営業させる予定で、景観の最も良い場所は観光客に提供し、その次に良い場所で、移動式カフェ業者を営業させるという。
これに対し移動式カフェ業者からは、今後はもう営業場所を求めて放浪しなくてすむという声も聞かれており、業者同士で組合組織を作り、北観処の指導の下で合法的に営業することも視野に入れているとか。北海岸の美しい風景を眺められるスポットが一部の業者に独占されなくなるのは朗報だろう。