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中台直航便拡大、8月以降にずれ込み


ニュース 運輸 作成日:2010年7月19日_記事番号:T00024089

中台直航便拡大、8月以降にずれ込み

 
 中台直航便の新たな週36便の便数拡大が、当初予定の7月末から8月中旬以降に延期されることになった。福建省の福州・アモイへの便数拡大をめぐって中台で意見の相違があり、中国側が就航都市の割り当て再考を求めたためだ。一方、中国側が今回就航を許可した便はすべて深夜、未明の利用しにくい時間帯であることが分かり、台湾の航空会社や旅行会社は交通部民用航空局の交渉の進め方に問題があったと強く批判している。19日付経済日報などが報じた。
 
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 中台は5月に行った協議で、直航便を現在の週135便からさらに50便拡大することで合意。このうち14便は既に6月に就航した台北松山~上海虹橋便に割り当て済みだ。

 当時、中国側は福建省を中心とした海峡西岸経済区(海西特区)の発展を促進するためとして、福州またはアモイと台湾を結ぶ便を週当たり少なくとも20便増便するよう要求。これに対し台湾・交通部民用航空局は両都市との間で既に週21便を運航していることで中国側の希望は満たされており、また、廈門航空(アモイ航空)に対しアモイ~台中、福州~高雄の就航を認可したことで十分に善意を示したとの解釈からこれを黙殺。福建省への新規増便は必要はないとして、北京便と深圳便に各週4便を割り当てた後の残り28便の中国側就航都市は、中華航空(チャイナエアライン)、長栄航空(エバー航空)、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)の各社に一任することにした。中華航空はこれにより青島(山東省)への新規就航、南京(江蘇省)への増便を決め、航空券を発売するなど7月末の運航開始に向けて準備していた。

 ところが、中国側が急きょ、福州・アモイへの20便増便の約束が守られていないとして、台湾側に就航都市の見直しを要求。中華航空は青島便の案内を急きょインターネットのホームページから撤去し、既にチケットを購入した乗客に対して上海または香港での乗り継ぎ便を手配するなど、対応を余儀なくされた。

北京発午前2時半

 台湾側にとって、中国側が今回新たに就航を認めた便のフライトスケジュールが、北京発午前2時半などいずれも深夜、未明の時間帯であることは頭の痛い問題だ。旅行者にとって不便であるだけでなく、松山空港、台中・清泉崗空港は夜間利用が禁止されているため、深夜便の就航は不可能だ。

 中国側によると、経済発展に伴う航空需要の高まりにより、北京や上海、広州など中国10大空港の昼間の時間帯は既に中国の航空会社が時間枠を占めており、また人民解放軍が空域を使用する時間帯を開放しないため、中台直航便に利用しやすい時間帯を割り当てられないという。民用航空局から事前に「良い時間帯を得られる」と聞かされていた台湾の航空会社、旅行会社は非常に不満で、民用航空局の交渉手法に問題があったと批判している。

 民用航空局は中国側就航都市の問題、およびフライト時間の問題について改めて中国側と協議を開始したが、増便枠が確定して就航するのは8月中旬以降になるのは確実な情勢だ。

【表】