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台プラ第6ナフサプラント、火災で一部操業停止に


ニュース 石油・化学 作成日:2010年7月26日_記事番号:T00024237

台プラ第6ナフサプラント、火災で一部操業停止に

 
 台塑集団(台湾プラスチックグループ)第6ナフサ分解プラント(六軽、雲林県麦寮)の、台塑石化(フォルモサ・ペトロケミカル)所属の第2製油工場で25日夜、大規模な火災が発生した。雲林県政府はこれを受けて第2製油工場の操業停止を命じた。操業停止期間が1カ月以上に長引いた場合、台プラグループの製油量は3分の2に減少し、川下石化製品の生産に影響が及ぶことは必至と報じられている。第6ナフサでは今月7日にも第1工場(OL1)で火災が起きたばかりで、同グループの安全管理の在り方に厳しい目が向けられている。26日付経済日報などが伝えた。
 
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火が鎮圧された後の第2製油所。出火当時は直線距離で40キロ離れた雲林県斗六からも炎を確認できたという(26日=中央社)  
 
 火災が起きたのは25日午後8時12分ごろで、約50メートル、建物10階くらいの高さまで大きな炎が上がった。第6ナフサ内に配備している消防車22台のほか、雲林県消防局が彰化・嘉義両県の消防局に化学消防車など計15台の応援を求めて消火に当たった結果、26日午前3時までに大部分鎮圧された。ただ、部分的な火災は今後1日以上続く見通しだ。

 火災の原因について林克彦・台塑石化広報担当は、「重油漏れが疑われるが確認できない」とコメントした。火災による死者やけが人はなかった。

被害数百億元、台プラは否定
 
 今回火災を起こしたのは第6ナフサ内に3基ある日産15万バレルの製油工場のうちの1基で、昨年より取り組んだボトルネック除去工程により、1日当たり総生産量は計54万バレルまで拡大している。

 製油工場では台湾市場向けおよび輸出向けのガソリン、軽油のほか、グループ内のオレフィンプラントや台湾化学繊維(フォルモサ・ケミカルズ&ファイバー、台化)に供給するナフサを生産している。

 火災と操業停止に伴う台塑化の被害額について経済日報は250億台湾元(約680億円)、中国時報系列メディアは100億元以上と報じたが、林広報担当は「被害は報道されているような数百億元といった水準には達しない。台湾市場への石化製品の供給に何ら影響は生じない」と語った。

環境影響評価に影響も
 
 第6ナフサは第5期事業に対する環境影響評価の手続きが進められているが、わずか20日の間で2回も火災が起きたことで、審査が不利になる可能性が指摘されている。

 第5期事業をめぐって台プラは先週、投資額の小幅縮小を決め、環境影響評価の速やかな通過を図る狙いと観測されていた。一方、雲林県政府は環境汚染問題などで十分な改善策が示されていないとして、5期事業の推進に改めて反対意向を示していた。今回の火災では周辺住民の間で抗議の動きが広がっている。