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HTCが中国進出、3強入り狙う


ニュース 電子 作成日:2010年7月28日_記事番号:T00024295

HTCが中国進出、3強入り狙う

 
 スマートフォン世界4位ブランド、宏達国際電子(HTC)は27日、北京で新製品4機種を発表し、HTCブランドの中国進出を宣言した。王雪紅同社董事長は「HTCは中国人が創立したブランドであり、中国人のために世界クラスのブランドに成長させたい」と語った。世界スマートフォン市場で2~3年内に3位以内を目指すHTCは、中国市場でも同様の地位確立を狙っており、今後中国3大キャリアと提携し、半年間で数千万人民元(1人民元=約13円)のマーケティング予算を投じて知名度向上を図る。28日付工商時報が報じた。

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 HTCが開催した記者会見には、中国移動通信(チャイナ・モバイル)、中国聯合網絡通信(チャイナ・ユニコム)、中国電信(チャイナ・テレコム)の3大キャリアのほか、グーグル、マイクロソフト(MS)など大手IT(情報技術)関連企業の上層部が駆けつけた。その席で周永明・HTC執行長(CEO)は中国進出について、「当ブランドは欧州市場に加え、昨年は米国市場に展開し、同市場での認知度が従来の10%から40%まで一気に高まった」と強調。「この成功を基に、今後必ず重要な市場となる大陸(中国)へ打って出るには良い時機だ」と語った。

ドゥーポッドとの関係、半年後に見直し

 HTCはこれまで、友好企業の多普達通訊(ドゥーポッド)ブランドに製品を提供する形で中国展開を図っており、HTCブランド製品を発売していなかった。しかし周執行長によると、中国のスマートフォンユーザーの8%がHTCブランドを認知しており、既に一定の知名度を獲得しているという。並行輸入品も少なからず中国に入っているとみられるが、周執行長は「今後は並行輸入品にはできない顧客サービスを提供する」と強調した。

 なおドゥーポッドとの今後の関係について周執行長は、「当面は共存し、半年後に再度見直しを行う」と語った。ただ、「HTCブランドで発売した製品を、ドゥーポッドで発売することはない」と重複を避ける考えを示した。

グーグル・WinOS搭載を維持

 同日、HTCが発表したのは、3G(第3世代)携帯電話規格のTD-SCDMA方式を採用する中国移動向けにカスタマイズした「天璽」と「天怡」、中国聯通が採用するWCDMA規格に対応し、世界的に好調な売れ行きを見せる「Desire」と「Wildfire」の4機種で、第3四半期末~第4四半期にかけて発売する計画だ。

 

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左からWildfire、Desire、天璽、天怡(HTC提供)
 
 OS(基本ソフト)は、ビジネスおよび娯楽機能を充実させた主力製品「天璽」がWindows Mobile(ウインドウズ・モバイル) 6.5を、それ以外の3機種はすべてグーグルの「アンドロイド」を採用している。

 OS戦略についてHTCは「今年アンドロイド機種は昨年比倍増の15機種を市場に投入する」としているが、今後もグーグル、MS双方との提携を維持する方針で、年末には世界初の「Windows Mobile 7」搭載機種を発売する計画だ。

【図】