来る8月1~6日、台北晶華酒店(グランド・フォルモサ・リージェント・タイペイ)で「第23回亜洲洋服聯盟大会」が開催される。アジアで2年ごとに開催されるオーダーメイドスーツの国際大会で、台湾が主催する今年は10カ国から200人以上の職人が参加し技を競う。
今回、台湾を代表してこの国際大会に挑む3人のテーラーは、いずれも歴代総統や大物政治家のスーツを仕立てた経験のあるベテラン職人。彼らの目に、馬英九総統のファッションはどう映っているのだろうか?
スワジランド国王(前右)との会見に望む馬英九総統(前左)。総統ともなれば、あらゆることが批判の対象となる(29日=中央社)
「力上西服」の創業者で、かつて蒋経国元総統のお抱えテーラーを務めた大ベテラン、梁冬富氏は、馬総統のファッションについて「選挙広告で着用していたスーツは、ひと目で10年以上着続けているのが分かり、格好悪い」と厳しいご意見。
かつて陳水扁元総統の総統就任式用スーツを仕立てた「紳装西装」の李万進社長も、「馬総統は体格が良いので、オーダーメイドの立体裁断でもっとぴったりのスーツを作ることができるのに」と、ヨレヨレのスーツに不満の様子。
「名士館」創業者の林振春氏も歴代総統のスーツを仕立てた経験を持つが、馬総統のスーツは台北市長に就任時に仕立てたことがあるだけだという。馬総統のスーツはどうやら既製品が多いようだ。
「台湾の政治家たちのファッションは、世界から10年は遅れている」とは、ファッションコーディネーターの陳孫華氏の弁。台湾の政治家の中では国民党名誉主席・連戦氏のファッションセンスが最高だと評判で、中国のセレブ界でも有名だとか。ちなみに、台湾ではイタリアの有名メンズブランド「ゼニア」は、「連戦のお気に入りブランド」とも呼ばれているそうだ。
馬総統は09年から環境保護のためにスーツを着用しないよう提唱しており、その影響もあってか、09年からオーダーメイドスーツの業者の業績は2~3割も落ち込んでいるそうだ。業界からは「ダサい」などの辛口コメントが飛び出すのには、こうした背景も関係しているのかもしれない。