ニュース
その他分野
作成日:2010年8月2日_記事番号:T00024360
中科二林園区、開発中断命じる判決
中部科学工業園区(中科)の第4期二林園区(彰化県二林鎮)をめぐり、地元住民が開発中断を求めた行政訴訟で、台北高等行政法院は30日、原告の主張を認め、開発を中断するよう命じる判決を言い渡した。これにより、友達光電(AUO)の液晶パネル工場、太陽電池工場など大型投資計画は中断を余儀なくされた。31日付経済日報が訴えた。
今回の訴訟は、二林鎮相思寮地区の住民約20人が農地約20ヘクタールを強制徴用されたことを不服として、二林園区の着工を認めた環境影響評価審査には瑕疵(かし)があると訴えたものだ。原告は第2段階の環境影響評価実施に加え、判決確定まで土地徴用手続きの執行を停止するよう求めていた。
これに先立ち、同法院は中科第3期七星農場地区(台中県后里郷、通称七星基地)に対しても、環境影響評価を無効とする判決を下しており、中科の拡張計画は暗礁に乗り上げた格好だ。
AUOは二林園区で第11世代液晶パネル工場2棟、太陽電池工場2棟の建設を計画しており、投資額は4,000億台湾元(約1兆800億円)に達する。また、七星基地では8.5世代液晶パネル工場第1期の建物が既にほぼ開始し、年内操業開始に向け、生産設備の設置を進めている矢先だった。今回の判決で同社の台湾での投資計画に大きな狂いが出るのは避けられない見通しだ。
AUOは正式なコメントを出していないが、中科管理局から通知を受けた同社の李焜耀董事長は、判決に驚きを表明した上で、「判決を尊重する。政府が早期に解決策を示すことを望んでいる」と語ったとされる。
これに関連し、呉敦義行政院長は31日、「相思寮地区を開発地域に含めないことも視野に、全体的な検討を行う必要がある」と述べ、計画の一部見直しもあり得ることを示唆した。