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従業員の喫煙、企業損失は1人年間6万元


ニュース 社会 作成日:2010年8月3日_記事番号:T00024384

従業員の喫煙、企業損失は1人年間6万元

 
 「喫煙は個人の健康を害するのみならず、企業にとってもコストを浪費する悪影響がある」──愛煙家にとっては耳の痛い分析が行政院衛生署国民健康局(国健局)から示された。同局は、喫煙習慣のある従業員1人が企業にもたらす損失は年間6万台湾元に上ると試算しており、従業員の健康と企業のコスト削減のため、職場での禁煙を呼び掛けている。

 国健局の試算では、月給4万元の従業員が勤務時間中に1日4本のタバコを吸った場合を仮定。タバコ1本当たりの喫煙時間を15分とすると、1日1時間、つまり勤務時間の8分の1が喫煙のために費やされていることになる。すなわち1カ月5,000元、年間6万元ものコストを愛煙家従業員は食いつぶしているという訳だ。

 従業員に200人の喫煙者がいる企業の場合、浪費されるコストはなんと1年で1,200万元にもなるというからばかにならない。

 そこで従業員の禁煙に取り組もうと、社内で禁煙治療プログラムを受けられるようにする企業もある。携帯電話製造大手の宏達国際電子(HTC)の場合、こうしたプログラムのおかげで平均喫煙歴12年の従業員73人のうち53%が禁煙に成功。年間234万元のコスト節約になったという。

 衛生署の統計によると、2009年1月の「煙害防制法(たばこによる被害防止法)」の新規定施行によって、職場での喫煙者は18.2%に減少。それでもまだ5~6人に1人はタバコを吸っていることになる。また、他人が吸うタバコの副流煙などにさらされる受動喫煙の被害者も依然14%いる。

 喫煙者からは、オフィスの全面禁煙などの規定は尊重するが、採用や昇任の際に喫煙者かどうかが決定材料となるなら喫煙者の労働権侵害に当たり、不合理だと警戒する声が上がっている。しかし、職場での禁煙の動きは今後も拡大するとみられ、愛煙家にとってはますます肩身の狭い世の中になりそうだ。