11月下旬に行われる高雄市長選挙で、民進党の予備選挙で敗れた楊秋興高雄県長が3日、離党して独自に立候補する意思を示し、民進党陣営が分裂する可能性が高まっているが、国民党陣営からは「楊県長の参戦は、民進党公認候補の陳菊氏(現高雄市長)がダメージを受けることはあっても、国民党候補の黄昭順氏に有利に働くとは限らない」との声が大勢を占め、大きな期待は抱いていないようだ。4日付中国時報などが報じた。
民進党内部では、楊県長への不満よりも離党を惜しむ声が強く、全力で慰留に努める構えだ(3日=中央社)
鍾紹和立法委員(国民党)は、立候補が決まっている陳市長と黄立法委員はともに高雄市出身のため、高雄県出身の楊県長が出馬すれば、県市合併後の地位低下を懸念する同県民から一定の支持を得ると分析。その上で、楊県長に投票する有権者は民進党、国民党支持者を問わず現われるとみられるため、国民党の得票率にも影響すると指摘した。
なお聯合報が3日夜、高雄県市の有権者852人を対象に実施した最新の世論調査によると、楊県長を含めた3人のうち誰を支持するかとの質問に対し、▽陳菊氏、44%▽楊秋興氏、23%▽黄昭順氏、13%──の回答率となった。同紙が5月初めに陳氏、黄氏のみを対象に行った調査では陳氏が52%、黄氏が19%の支持率で、今回の調査の結果により、楊県長の参戦が陳氏だけでなく黄氏にもダメージを与えることが示された。