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作成日:2007年9月4日_記事番号:T00002446
眷村解体でレトロブーム
国共内戦で中国大陸から渡ってきた軍人とその家族が居住する「眷村」は、現在台湾全土に100カ所余り残っているが、政府の都市計画により2009年までを目標に全面的な解体が進められている。
そんな中、骨董商たちが希少価値を持つ眷村の古物に目を付け、ちょっとしたブームを起こしている。彼らは解体前の眷村に入り込み、鉄製の門や窓枠から電線、照明具、水道の蛇口、写真や文物、果てはヒノキの床板まで一切合財を略奪してゆく。
このようにして骨董商の手に渡った眷村の古物は、台北市の福和橋下や建国高架橋下、台北県三重重新橋下、台中市自由路、高雄市十全二路などの「のみの市」にお目見えし、マニアの手に渡ることに。
よく見られるのは昔の写真や軍用機の模型、軍服、勲章、優勝旗、軍事書籍、公文書などで、値段も100台湾元から数万元とさまざま。露天商は最低でも場所代を取り戻そうと法外な高値を吹っかけるのが日常茶飯事らしい。
のみの市へ流れ込んだ眷村の古物を黙々と収集する高校教師もいる。ここ7~8年で30万元以上を古物に費やしたという彼は空軍家庭の出身。「眷村の思い出を子孫に残したい」との思いから、眷村の古物を買い戻しては持ち主を探し返還したり、博物館へ寄贈している。
「外省台湾人協会」は眷村文物が大量にのみの市に流出していることに危機感を持ち、早急な保護を訴えており、国防部は法改正などによって眷村文化の保存に乗り出す姿勢を示している。