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六軽周辺で高濃度の発がん物質、雲林県が調査結果


ニュース 石油・化学 作成日:2010年8月9日_記事番号:T00024514

六軽周辺で高濃度の発がん物質、雲林県が調査結果

 
 雲林県政府は6日、台塑集団(台湾プラスチックグループ)第6ナフサ分解プラント(六軽、同県麦寮郷)の周辺で空気中の発がん物質の濃度が明らかに高く、周辺住民の尿に含まれる発がん物質も他の地区より高いとする調査結果を明らかにした。7日付自由時報が伝えた。

 大気汚染に関する調査では、台西、麦寮、四湖の各地区で、16種類の多環芳香族炭化水素(PAHs)と10種類の重金属の濃度が他地域よりも高かった。

 また、住民の健康調査では、台西、麦寮の両地区で、住民の肺機能が他地区よりも1~4%低かったほか、尿からPAHsの代謝物である「1-ヒドロキシピレン」が高濃度で検出された。

 調査を担当した詹長権台湾大学教授は「第6ナフサが沿海地区でがんの発症率が高いことの直接の原因とは断定できないが、空気中と人体から石油化学産業による発がん物質が発見されたことで、汚染と人体の因果関係が間接的に証明された」と指摘した。

 詹教授は昨年実施した調査で、雲林県沿岸部では、第6ナフサ操業開始後に肺がん、肝がん、白血病による死亡率が上昇していると指摘。このため、県政府は今回、詹教授に依頼し、詳細な調査を実施した。