9日付工商時報によると、液晶パネル最大手の奇美電子(チーメイ・イノルックス)が新竹科学工業園区(竹科)竹南園区(苗栗県竹南鎮)の第4.5世代工場をタッチパネル生産に移行させるほか、南部科学工業園区(南科)の4世代液晶パネル工場(月産能力9万枚)および後工程モジュール(LCM)工場をタッチパネル工場に改築するとの観測が出ている。業界関係者によると、アップルのタブレット型パソコン「iPad」唯一の組み立てメーカーとなっている親グループの鴻海科技集団(フォックスコン)が、関連部品においてもグループでの受注を確保したい考えとされる。
市場調査会社、アイサプライによると、iPadの世界全体での出荷量は今年1,290万台、来年は3,650万台が見込まれるが、業界では、現行の9.7インチより小型の7インチ型iPadが今年末にも発売されるとの見方が出ており、来年の出荷量は4,100万台を超えるとの予測もある。
現在iPad向けパネル供給は、韓国LGディスプレイ(LGD)とサムスン電子が大部分を握っているが、奇美電も先ごろ日立ディスプレイズからIPS(横電界)方式の液晶技術の供与を受けることで合意しており、年末から来年第1四半期にかけて、受注獲得に向けた動きを開始するとみられる。
また同社は7日、中国の仏山市南海区(広東省)、寧波市(浙江省)、アモイ(福建省)、成都(四川省)などでのLCMモジュール生産能力拡充に3億7,100万米ドルを投じることを決定し、経済部投資審議委員会(投審会)に認可を申請したと発表した。