中国時報系列の旺報が台湾人の中国認識などについて先週行ったアンケート調査で、「中国大陸は台湾の将来にとって重要か」という質問に対し「重要」という回答が66.7%に上った。前年同月の同じ調査から9.3ポイントの増加で、海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)締結など、中台経済交流の拡大を受けて中国を重要と考える人が増えているとみられる。同紙が9日報じた。
中国が台湾の将来にとって「重要でない」という回答は12.8%で、前年比で0.8ポイント増加した。「分からない」は20.6%で、前年から10ポイント減少した。
中国の重要性を認識する人が増える一方で、「中国大陸を理解しているか」という質問には71%が「理解していない」と回答し、「理解している」の29%の約2.5倍に上った。「理解していない」は昨年の73%から2ポイント減少したものの、ほぼ横ばいといえる。
また、「中国を理解したい」と考える人は49%、「理解する必要はない」は45%で、「理解したい」がやや上回った。経済に最も関心
中国で理解したい分野では「経済」が72.5%で圧倒的に多かった。また、昨年の58.4%から14.1ポイント増と、伸び幅も各項目で最高だった。2番目に多かったのは「政治」で31.3%、前年比では11.3ポイント増だった。次いで▽文化の違い、25.7%(前年比7ポイント増)▽社会状況、13.8%(2.7ポイント増)▽教育、12.2%(3ポイント増)▽旅行、12.1%(4.3ポイント増)──などとなった。全項目のうち前年比10ポイント以上の伸びを見せたのは経済と政治で、経済関係の拡大とともに中国の政治状況へも関心が高まっていることがうかがえる。
台湾で中国の情報を十分得られているかとう質問に対しては、53%が「不足」と回答し、「十分」の29%を大きく上回った。昨年の調査では「不足」が49%、「十分」が24%で、今年はともに4~5ポイント増加したことになる。
中国に行く動機、旅行が72%
台湾住民の中国との交流に関する質問では、「中国に行ったことがある」は41%で、前年比で3ポイント増加した。また、「行くことを考えている」は45%で、前年比7ポイント増加した。
中国に行く動機については「旅行」が72%と大部分を占め、次いで「仕事・起業」が17.5%だった。
なお、「中国で長期間働いている者や、中国と取引を行っている者が家族にいる」は16.7%、「中国で長期間居住する者が家族にいる」は11.2%、「中国大陸の人と婚姻関係を持った者が家族にいる」は9.2%となり、民間レベルで中国との交流がより密接になっていることが分かる。
同調査は8月4日と5日、旺報が中時民意中心に委託して台湾全土の成人1,083人に対し電話で行われた。
【図】【表】