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台風でクルーズ短縮に不満、乗客が船内占拠


ニュース 社会 作成日:2010年8月11日_記事番号:T00024559

台風でクルーズ短縮に不満、乗客が船内占拠

 
 マレーシアのゲンティン・グループ傘下の大手クルーズ会社、スタークルーズ(麗星郵輪)が1997年から開設している基隆と沖縄を結ぶ定期航路は、5つ星ホテル並みの豪華設備に加え、台湾ではまだ解禁されていないカジノが公海上で楽しめ、さらに2泊3日コースで9,000台湾元からという手ごろな料金で人気となっている。夏休みの旅行シーズンともなれば、なかなか予約が取れないのが現状だ。

 いいことずくめのような同社のクルージングだが、欠点もある。天候に満足度が左右されてしまうことだ。8日に基隆を出発した「天秤星号」は、まさにその典型的な例となった。

 石垣島と那覇に寄港する3泊4日のコースで、旅客1,590人が乗船した「天秤星号」は、あいにく午後3時の出発前に台風4号(アジア名・ディアンムー)の影響で石垣島への寄港が取り消され、那覇で2泊することが決定した。ところが運の悪いことに、那覇港も台風で封鎖。結局、天秤星号はどこにも寄港することができず、スケジュールを1日短縮し、2泊3日で基隆に戻るはめになった。

 当然ながら、3日間もずっと海上に閉じ込められた乗客らの不満は爆発。スタークルーズ側は乗客に対し、賠償として客室使用料の半額の返還と、次回クルーズでの客室使用料35%割引を提案。しかし、怒りの収まらぬ乗客らはあくまでも全額返金を要求し、交渉は決裂した。

 結局、乗客らは10日朝に基隆港へ到着した後も下船を拒み、船内を占拠。基隆港務局や港警局などが介入し、3時間に及ぶ話し合いの末、ようやく和解した。両者の合意内容は、「客室使用料半額返金」か「1年以内に天秤星号の同コース、同クラス客室に無料で乗船」を選択できるというもの。さらにスタークルーズ側は、すべての乗客に対し同日夜出発の1泊2日公海クルージングに無料招待した。

 これを受けて6時半ごろ、大部分の乗客は下船したが、370人はそのまま船上にとどまり、その夜出発のクルージングに参加した。今度は天候に恵まれるといいのだが。