ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

新手のスクラッチくじ詐欺、顕微鏡と極細針で当せん判読


ニュース 社会 作成日:2010年8月12日_記事番号:T00024588

新手のスクラッチくじ詐欺、顕微鏡と極細針で当せん判読

 
 買ったその場で当せんが分かるスクラッチくじ「刮刮楽」で、驚くべき手法の新手の詐欺が発覚した。詐欺グループは長期にわたる研究により、顕微鏡と極細針を使ってスクラッチくじの一部を削り、当せんくじか否かを判別する技術を開発。4年前から不当に利益を得ていたことが分かった。
 
T000245881

針で削られた「刮刮楽」くじ。強い光を当てるとその跡が浮き上がる(11日=中央社)
 
 宝くじ発行会社の台湾彩券は今年6月、くじ販売業者からの苦情を受け、市場で安売りされていた不審なくじを入手。カナダのくじ印刷業者へ送って検査したところ、くじにはわずかだが確かに削られた跡が発見された。ベテラン安全管理担当者も「こんなの初めて」と舌を巻くほどの精巧な技法が使われていたという。

 首謀者の翁子庸容疑者(47)の手口は、共犯の台北県市内のくじ販売業者が台湾彩券から仕入れた1束100枚9,000台湾元の「刮刮楽」を9,200元で買い取り、妻と妹がお手製の極細針でスクラッチ部分を削るというもの。顕微鏡で見ながら注意深く5~6カ所削り、読み取ったアルファベット3文字によって、当せんかどうかを判別していた。

 一般には知られていないが「刮刮楽」のくじには、当せん金額が200元の場合、英語で「2」を表すT、W、Oの3文字、900元の場合は「9(nine)」を短縮したN、I、N、6,000元の場合は「six thousand」を短縮したS、X、Tの3文字がそれぞれ印刷されている。外れくじでは特に意味のないアルファベット3文字が並ぶ。

 翁容疑者らは研究に研究を重ねた結果、このアルファベットが表す意味を解読、文字が印刷される位置まで把握していたというから恐れ入る。

 翁容疑者は、当たりくじを手元に残し、外れくじはまとめて15%割り引きで販売業者に買い戻させていた。さらに販売業者は、事情を知らない宝くじ売り場などへ10~12%引きで転売していたようだ。グルになっていた販売4業者も含め、12人が警察の取り調べを受けているが、一体どれほどの「外れ確定くじ」が出回ったのかは不明だという。