「男性100人とキスする」という、奇想天外な計画をブログで宣言し、実行していたフランス留学中の台湾人女性、楊雅晴さん(28)は14日、満面の笑みを浮かべていた。というのも、この計画が1年間かけてとうとう完了したからだ。
14日、台北市でサイン会を開いた楊雅晴さん。会場にはキスのお相手となった男性(左)も応援に駆けつけた(14日=中央社)
フランス・パリの音楽学院でピアノを専攻していた楊さんが、なぜか突然ひらめいたこの突拍子もない計画を、「百吻計画」と名付けてスタートさせたのは昨年7月のことだった。彼女はカメラマンと2人で、キスの相手を探してパリ中を巡った。
エッフェル塔、ルーブル美術館、凱旋(がいせん)門、セーヌ河…。芸術の都パリには絵になる風景がいっぱい。楊さんは、アーティストやモデル、作業員、学生、旅行者など、国籍も年齢も職業も異なる男性たちと、さまざまなシチュエーションでのキスに挑戦した。ちなみに最高齢は81歳のフランス人男性だったとか。
楊さんは、ひとつのキスを完成するごとに、その写真をネットのブログにアップ。たちまちアクセスが殺到し、賛否両論が渦巻いた。一躍有名人になった彼女は今年2月、54枚のキス写真を掲載した『百吻巴黎(Kiss・Paris)』上巻を出版。今月14日、残る46枚を掲載した下巻を出版し、とうとう計画にピリオドを打った。
「うれしくてたまらない!解脱したような気分よ」と語る楊さんは、1年間を振り返り、最も印象に残ったのは18人目のキスだという。それもそのはず、その時のお相手が彼女の現在の恋人となったからだ。楊さんは100人目に再度その彼を指名。セーヌ河に浮かぶボート上での撮影となった。ウエディングドレスに身を包んだ楊さんが恋人と交わしたキスは、これまでで最も甘く最も幸福なキスだったに違いない。「もう見知らぬ人とはキスしたくない」という彼女の言葉もうなずける。
なお、『百吻巴黎』は映画化の話も出ているという。どんな作品になるのか楽しみだ。