ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

MRT内の飲食禁止、警官7人がかりの過剰対応


ニュース 社会 作成日:2010年8月18日_記事番号:T00024704

MRT内の飲食禁止、警官7人がかりの過剰対応

 
 台湾の都市交通システム(MRT)は車内での飲食禁止が法律で決められおり、「水すら飲めないのか」と批判が出ることがある。今年1月、高雄市で食べ物を食べていたと誤解された男性が警察官7人がかりで拘束され、抵抗した際にけがを負わせたとして、公務執行妨害罪などで起訴されていたことが分かった。

 徐至正さん(29)は、食事の際に唇をかんで出血したため、テッシュペーパーを口に含んだまま高雄MRTに乗っていた。信義国小駅で降りようとしたところ、物を食べていると勘違いした駅長に呼び止められた。徐さんはこのため、駅長の手のひらににティッシュペーパーを吐き出して、潔白を証明してみせた。 

 しかしこの行為が現場にいたMRT専属の警察官2人の注意を引き、徐さんに国民身分証(住民IDカード)の提示と身体検査を求めた。徐さんが断ると、2人はさらに別の5人の警察官の応援を求め、徐さんがこれに怒って怒鳴ると、警察官らは7人がかりで徐さんを取り押さえて派出所に連行。この際、徐さんが抵抗して1人にけがを負わせたため、公務執行妨害罪や傷害罪で起訴された。

 この事件で高雄地方法院はこのほど、徐さんに無罪判決を下した。徐さんが食べ物を食べていたように見えたとしても、警察官が身体検査を行うまでの必要はなく、警察官側に「職権行使法」違反があったと判断したためだ。

 何の違反もしていないのに、身体検査まで求められてはたまらない。警察官らは少々仕事に熱心過ぎたといえるだろう。ちなみに、本当に車内で食べ物を食べた場合は1,500台湾元の罰金が科される、MRTは窮屈な乗り物なのだ。