立法院は17日、中台が6月末に調印した海峡両岸経済協力枠組み協議(ECFA)の、16条から成る締結文書の内容および関連法案を承認した。馬英九総統による公布を経て、中台間で正式文書が交わされ、9月にも発効する見通しだ。物品貿易のアーリーハーベスト(関税早期引き下げ)は来年1月1日に実施され、2013年に約800の全対象品目がゼロ関税となる。18日付工商時報などが報じた。
ECFA締結文書の承認成立に歓喜の声を挙げる国民党立法委員ら(17日=中央社)
立法院の審議では、締結に反対する野党民進党から、ECFAの名称、締結文書の序文、条文内容の修正・削除、および採決は条文ごとに行うよう提案がなされた。しかし、圧倒的多数の議席を占める国民党はすべて否決。民進党が議事をボイコットする中、一括採決が行われ承認された。
これを受けて馬総統は、羅智強・総統府報道官を通じ、「ECFAの立法院通過によって、台湾は地域経済との結び付きを強め競争力が向上する。立法院の正しい選択を評価する」とのコメントを発表した。
中台はECFA発効後、締結文書の内容に基づいて、▽物品貿易▽サービス貿易▽投資保障協定▽経済紛争解決メカニズム──についての協議を6カ月以内に始める。このうち投資保障協定は経済部投資処が既に草案を完成させており、今年12月に予定される中台窓口機関による第6回トップ会談(江陳会談)での調印を目指す。
呉敦義行政院長は同日、中台双方でECFAに関連した問題の対応に当たる「両岸経済合作委員会」の立ち上げを急ぐ考えを示した。同委員会は9月に発足し、台湾側は梁国新・経済部次長、中国側は姜増偉・商務部副部長が代表を務めると観測されている。
第2弾関税交渉、来年3月開始
台湾側は物品貿易で539品目をアーリーハーベストの関税引き下げ対象として獲得しているが、政府関係者によると、今後中台は第2段階として、8,000品目を超える物品の関税引き下げについての協議を遅くとも来年3月に開始する方針だ。その際台湾側は、前回協議でリストから漏れた液晶パネル、石油・化学製品、工作機械、完成車両の「即時関税引き下げ」を目指し、優先的に取り組む構えだ。
なお、同日の立法院審議では、知的財産保護に関する中台間の協定「両岸知的財産保護協力協議」の承認、ECFAに関連する専利法(特許法)、商標法、植物品種種苗法の改正案も成立した。
立法院の外ではECFAに反対する本土派団体などが集結し、「締結すればパンツまでむしり取られる」と抗議した(17日=中央社)
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