高速無線通信規格WiMAX(ワイマックス)の北部の事業免許を持つ全球一動(グローバル・モバイル)、南部の威達雲端電訊(ビー・タイム)、大同電信(TATUNGインフォコム)は18日、台北市など現在8県市に広がる3社のサービスエリアで各社のユーザーが相互利用できる、ローミングサービスの実施を発表した。今後エリアをさらに拡大することで、ユーザー数が年内に最高20万件まで増えると期待している。3社は台湾初のローミング提携を経て、将来の合併も視野に入れている。19日付経済日報などが報じた。
大同電信の林東亮総経理(左)、全球一動の蔡木源総経理(中)、威達雲端の黄彦男総経理(右)。3社は年内はローミングサービスを無料で提供し、ユーザー数拡大を狙う(18日=中央社)
3社のサービスエリアは現在、▽台北市▽新竹県市▽台中県市▽高雄市▽金門県▽澎湖県──。年内に、▽台北県▽高雄県▽台南県市▽嘉義県▽彰化県▽南投県▽花蓮県──などを加えて、人口1,000万人をカバーする見通しで、ユーザー数は▽全球一動、3万~4万件▽威達雲端、5万件▽大同電信、5万件──が目標だ。現在の台湾全土のユーザー数は2万件。業界関係者は、3社によるローミングサービス提携をきっかけに、来年ユーザー数が爆発的に増えると予想している。
威達雲端の黄彦男総経理は3社の提携について、次の段階が共同調達で、その後は戦略提携を結び、1社に統合することもあり得ると語った。合併の可能性については、大同電信の林東亮総経理も示唆した。
共同調達でコスト引き下げも
黄・威達雲端総経理は、WiMAX対応機器の調達価格は来年、今年比で50%低下が見込まれているが、共同調達を行えばさらなる引き下げが可能で、コストを抑制できると好感を示した。
大同電信の林総経理は、今後の共同調達品目について、ドングル、ルーター、およびWiMAX対応ノートパソコンを挙げた。全球一動の蔡木源総経理は、来年の3社による調達量は30万セットに上ると見込む。
今後、現在の調達先である、▽達威電子(クアンタ・マイクロシステムズ)▽合勤科技(ザイセル・コミュニケーションズ)▽鈺程科技(アクトン・ワイヤレス・ブロードバンド、AWB)▽友訊科技(D-Link)▽華碩電脳(ASUS)▽宏碁(エイサー)▽マレーシアのグリーンパケット──などのメーカーが恩恵を受けそうだ。