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作成日:2010年8月20日_記事番号:T00024763
ターゲット宅を塗料で色分け、ベテラン空き巣にお縄
窃盗、公務妨害など4つの罪で指名手配中の林盈志容疑者(35)が17日、台北県板橋市内で張り込み中の警察官に逮捕された。林容疑者はこれまでに窃盗、強盗、恐喝、薬物使用など、49件もの前科を持つこの道17年の「ベテラン」だった。
林容疑者の軽トラックからは、多数の盗品、ヘロイン、アンフェタミンなどの薬物のほか、数々の犯行用工具が押収された。捜査に当たった警察は、仕切り付きのケースの中に入った12色の塗料に首をかしげた。赤、青、緑…これらの塗料は、一体何に使ったのだろうか?
実は、林容疑者は犯行前にターゲットとなる住人の生活を観察し、12色の塗料によって色分けをしていた。例えば、住人が長期間不在の住宅は「白」(いつでも実行可能)、数日間だけ不在の場合は「赤」(急いで実行せよ)といった具合。そして住宅の壁に塗料で印を付け、犯行に及ぶ時期の目安としていたという訳だ。見つかった林容疑者の手帳には、年末まで犯行スケジュールがみっちり詰まっていたという。
このほかに押収された工具は、錠前29個、万能鍵23本。林容疑者は鍵師から製造方法を習い、各種の鍵を自分で作っていたという。また、靴は6足準備し、順番に履くことで犯行現場の足跡をごまかしていたというから抜かりない。
しかし、このように周到に準備して犯行を繰り返していたベテラン空き巣も、常に完ぺきとはいかなかったようだ。7月、台北市内の女性宅に侵入し、デジカメや現金など10万台湾元相当を盗んだ事件で、犯行前に何度も女性宅を下見する林容疑者の姿が監視モニターに残っていた。犯行に使った軽トラックが自分名義だったことから、林容疑者はあっけなくお縄となった。
警察によると、空き巣対策に最も効果的なのは、各種防犯対策よりも近所づきあいを密にし、互いに気をつけ合うことだそうだ。