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あの世で良い暮らしを、自分用の「紙紮」予約も


ニュース 社会 作成日:2010年8月23日_記事番号:T00024793

あの世で良い暮らしを、自分用の「紙紮」予約も

 
 今は「鬼月」と呼ばれ、あの世の門が開き、さまざまな霊(鬼)がこの世に帰ってくるとされる旧暦7月(今年は8月10日~9月7日)の真っただ中。そこであの世にちなんだ話題を一つ。

 台湾では、亡くなった人があの世で良い暮らしができるようにと、残された家族が紙で作られたさまざまな供物を焼いて供える習慣がある。この供物は「紙紮」と呼ばれ、食べ物や日用品、家電、車、家など何でもあり。まさに「冥土の土産」といえるものだ。

 紙紮製品は数年前からインターネットでも販売されており、オーダーメイドの注文もできる。3年前にオープンした紙紮専門のネットショップ「skea天堂配件」によると、今一番人気はiPhone 4。中国語版で専用の携帯番号や充電機も付いて3,780台湾元。紙でできているとはいえ、本物そっくりだ。住宅の紙紮を販売する「天閣紙精品屋」では、緑に囲まれた省エネ住宅が若い世代に人気があるという。

 紙紮は千差万別。母親が生前おしゃれ好きだった娘のためにドレッサーと華やかなドレスを購入するケースもあれば、妻が夫の好物だった臭豆腐を定期的に購入するケースもある。16万元の貯金をすべてはたき、亡き父のために豪邸の紙紮を買った親孝行娘もいる。

 ちょっと変わったところでは、「宝くじ販売店」や「マクドナルドの店舗」。注文者によると、亡くなった家族が夢に現れて「ハンバーガーが食べたいが、ここにはマクドナルドがない」と言ったことから、オーダーすることになったそうだ。ちなみに、入れ歯やフカヒレ、ツバメの巣、ファーストフード、任天堂のWiiなども売れ筋らしい。

 なお最近では、自分のために紙紮を生前予約する人も現れている。紙紮販売店「天国万事通」には、自分の死期を予感したと思われる30代の男性からの予約が入った。男性は洋風の家に高級車、豊満なバストの美女を注文し、半年後に亡くなったという。また、家庭菜園のできる庭付きの平屋を予約したマンション嫌いの男性もいたとか。

 お墓や納骨堂ならともかく、死後の供物を自分で生前予約するとは、すごいご時世になったものだ。生前に手配しておけば、「死後の生活も安心」という訳か。