パソコン最大手、宏碁(エイサー)の王振堂董事長はこのほど、中国PC業界2位の方正科技(ファウンダー・テクノロジー・グループ)から7年間のブランド使用権を獲得したことに関連し、経済日報のインタビューに応じ、中国のノートPC市場におけるシェアを近いうちに2位に引き上げたいとの意向を示した。23日付同紙が伝えた。
エイサーによるファウンダーブランドの使用権獲得については、20日のファウンダーの株主総会での可決を受け、準備が整った。王董事長はファウンダーとの提携後の優先目標について、「短期間内に華碩電脳(ASUS)、ヒューレット・パッカード(HP)、デルを抜き、中国2位のノートPCブランドになることだ」と強調した。
王董事長は中国市場攻略について、「販路的には外国メーカーが無視しがちな小規模地方都市を攻め、商品的にはファウンダーのデスクトップPCを基礎として、ノートPCの新規市場を開拓したい」と述べた。
「アップルシェアは20%に落ち込む」
また、タブレット型PC市場の行方について王董事長は、「エイサー、ASUS、デルなどオープンソース陣営のメーカーが参入し、『iの魔力』(米アップルの競争力)は陰りを見せる。アップルのタブレットPCは現在の100%近い水準から20~30%まで低下するとみている」と述べた。
王董事長はエイサーが基本ソフト(OS)に「ウインドウズ7(Windows 7)」を採用したタブレットPCを今年第4四半期に発売すると明言。また、グーグルの「アンドロイド3.0」に対応した機種もほぼ同時期に投入する。このほか、ASUSは来年1月と3月にタブレットPCの発売を予定。デルは既に5インチディスプレイのタブレットPC「ストリーク」を発売しており、今後各社とアップルの競争が本格化しそうだ。
王董事長はまた、タブレットPCが低価格ノートPC(ネットブック)に与える影響について、「英語圏の国では売り上げに影響が出ているが、開発途上国ではネットブックがよく売れている。ネットブックの急成長期は過ぎ去ったが、将来的にまだ市場はなくならず、安定した需要が見込める」と指摘した。