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作成日:2010年8月30日_記事番号:T00024962
重慶ノートPC集積地、産業チェーン形成進まず
今年年初、ヒューレット・パッカード(HP)は、鴻海科技集団(フォックスコン)、広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、英業達(インベンテック)などの台湾系受託生産メーカーとともに、中国・重慶市に年間出荷台数2,000万台の一大ノートパソコン製造拠点を形成すると宣言した。しかし下半期、ノートPC需要に陰りが見え、投資計画に変更が迫られる中、HPは依然、年内の稼働を要求しており、受託メーカーは対応に苦慮している。業界関係者は、「重慶は人件費も土地コストも沿海地区に比べ安いが、サプライチェーンがまだ完成しておらず、生産するには部品の運送費が高くつく」と指摘している。30日付電子時報が報じた。
重慶に進出するノートPC受託生産メーカーは、ブランドメーカーからの受注量確保が不透明な中、リスクを避けるため、工場は自社で土地を購入して建設するのではなく、賃借が一般的となっている。また、HPは年内に重慶からの出荷を要求しているが、実際には沿海地区の旧工場で生産したものを重慶に運び、ここで最後の仕上げを行って出荷することになりそうだ。
重慶進出を表明している台湾系受託メーカーのうち、鴻海集団は9月に予定していた稼働を前倒しし、5月に量産を開始した。しかしこれは象徴的な意義が強く、関連業者は依然同地に工場を設置するかどうか、模様眺めを続けている。最近、重慶に工場を設置した部品メーカーは、「組み立てメーカーに無理強いされた」と語っている。