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作成日:2010年9月1日_記事番号:T00024998
台北市職員の「花博ダンス」、現場は不満多々

11月6日の「2010台北国際花き博覧会」開幕に向け、急ピッチで準備が進められる中、台北市政府は広報活動の一環として「花博ダンス」なるものを広めようと、各区の区役所、戸籍事務所などの市職員に対し、毎朝訪れる市民をこのダンスで出迎えるよう求めている。
しかし、やる気満々の市政府に対し、一般職員からは、「忙しいのに休憩時間をつぶして練習しなければならない」「朝早くから証明書の申請などのためにやって来る市民の前でダンスなどしたら怒られる」などと不満の声が上がっており、内心「余計なことはやめてほしい」と思っている職員も多いようだ。
台北市政府人事処は9月29日に「花博ダンス・コンテスト」開催を計画しており、多くの区役所などが参加を表明している。しかし踊りたくない職員からはこれについても、「勤務時間中に練習が行われている」「コンテスト参加のための休暇を認めている」などと苦情が寄せられている。
これについて民進党の劉耀仁市議会議員は、「公務員の本分は市民のために業務を滞りなく処理することなのに、花博のためなら何でも許される状態となり、行政に深刻な影響が出ている」と批判。また日ごろから人手不足が問題となっている警察から14チームがコンテストに参加することについても「こんな状態では治安が良くなるはずがない」とくぎを刺した。
これに対し、韓英俊人事処長は、「花博ダンスコンテストは市の重要なイベントであり、公務と言える。公務参加のために休暇を取ることには規則上何の問題もない」と説明。ただ、踊りたくない職員にダンスを強要することは不適当だとの見解を示した。
市政府は来年4月の花博終了まで就業前のダンスを続けるよう指示しているとされるが、花博に加え、11月には市長選挙が控えるなど市職員は業務で手いっぱいだ。踊りにかまけている時間があれば、本来の業務をしっかりやってほしいというのが多くの市民の声だろう。