ニュース 金融 作成日:2010年9月1日_記事番号:T00025027
経営再建中の米保険大手、AIGの台湾生保子会社、南山人寿保険の、香港の投資会社プリマス・フィナンシャル・ホールディングスらによる買収案が31日、経済部投資審議委員会(投審会)によって却下された。AIGは行政訴訟も検討しているが、売却入札がやり直しとなれば、中国信託金融控股(中信金控)など台湾の金融持ち株会社が事業を引き継ぐ可能性もある。1日付工商時報などが報じた。
黄重球・投審会主任委員。政府はAIGが南山の業務縮小や大規模な人員削減を決めた場合、対応策を講じるとしている(31日=中央社)
英領ケイマン諸島登記のプリマスが20%、香港資本の中策集団(チャイナ・ストラテジック・ホールディングス)が80%出資で、英領ケイマン諸島設立会社経由の台湾・博智南山投資控股(プリマス南山ホールディング)は昨年10月、AIGによる南山人寿の売却先に決まり、21億5,000万米ドルで株式97.57%を取得する契約を結んだ。外資による台湾株式の譲渡に当たるため、同社は今年1月に投審会に申請したものの、これまで審査が大幅に遅れていた。
投審会は、不認可判断の理由について、主管機関に当たる行政院金融監督管理委員会(金管会)の同意が得られなかったためと説明した。呉当傑・金管会副主任委員は、金管会の定めた5原則のうち、「今後の増資に応じられる財務力」「長期的経営能力」の2項目で、財務力について具体的な計画や証明が示されず、また第三地経由による複数層の出資のため長期的経営の面で不適当と判断され、審査条件に合致しなかったと指摘した。資本の出所は中国資本が30%以下と確認でき、台湾の法令に合致したという。
AIGは同日夜、売却が認められなかったことに、遺憾の意を表明した。近く南山人寿の董事や関係者と会い、「双方に有利な、しかるべき手を打つ」としている。現在、博智南山と行政訴訟を起こす可能性についても協議している。
新たな動きは10~11月か
AIGは、今後、新たな買収先を探すか、南山人寿の売却を取りやめるかについては言及していない。金融業界では、AIGは公的資金返済のため、引き続き売却を進める可能性が高いとみられている。AIGは傘下のアジア生保部門、アメリカン・インターナショナル・アシュアランス(AIA)の新規株式公開(IPO)後の10~11月に新たな動きが見られるとの見方もある。
これまで南山人寿買収の意思を表明していた中信金控は、コメントを控えている。富邦金融控股は、納得できる買収価格なら検討できるとした。市場では、潤泰集団(RUENTEX)の尹衍リョウ総裁(リョウは木へんに梁)や、米投資ファンドのカーライル・グループの名前も浮上している。
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