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気象局予報主任のフェイスブック、台風情報フライング発表で波紋


ニュース 法律 作成日:2010年9月2日_記事番号:T00025028

気象局予報主任のフェイスブック、台風情報フライング発表で波紋

 
 今週、立て続けに発生した3つの台風が台湾を取り囲んだ中、中央気象局予報センター主任が、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)サイト、フェイスブック(Facebook)上に個人で開設した掲示板に、同局発表よりも早く台風情報を掲載していたことが分かり、局内外に波紋を広げている。

 事の起こりは8月30日。日本の気象庁が午後9時30分に東シナ海の熱帯低気圧が台風8号(アジア名・ナムセーウン)となったと発表したことを受け、気象局予報センターの鄭明典主任は午後9時40分、自身のフェイスブック掲示板にこの最新情報を発表した。

 ところが、気象局はこの熱帯低気圧が台風になるとは予測しておらず、台風8号の発生の発表は午後9時59分、海上および陸上台風警報の発令は午後10時30分と手間取った。台風8号発生のニュースがテレビで流されたのは午後11時40分。鄭主任の掲示板をフォローしているファンは、一般の人より2時間も早く台風情報を先取りしたことになる。気象局の面目は丸つぶれだ。

 これが問題視されたことを受け鄭主任は、「もうしない」と約束。にもかかわらず1日午前6時46分、鄭主任は再び掲示板に「台風8号と台風6号(アジア名・ライオンロック)は合流する」との予測を掲載。実はこれ、気象局が前日夜に鄭主任の署名入りで発表した「2つの台風は合流しない」とする予測とは正反対のものだった。

 これについて鄭主任は、「フェイスブックでは、予報センター主任としてではなく一科学者として発言している。異なる分析をみんなとシェアしたかった」と弁明した。

 しかし、「台風銀座」の台湾では、台風情報の交錯は市民に混乱を引き起こすことになりかねない。元予報センター主任の任立渝氏は「主任の発言はいかなるものであれ、気象局を代表するものとなる。彼の取った行動は不適切だ」と批判。辛在勤気象局長も「彼はレッドラインを超えた。処分は台風シーズンが過ぎてから決める」とご立腹だ。

 予報センター主任の立場にありながら、台風が接近している肝心な時にフェイスブックにうつつを抜かしていては、批判が集まるのも当然だろう。