ニュース 商業・サービス 作成日:2010年9月3日_記事番号:T00025085
統一阪急百貨台北店(台北市信義区)の正式なオープンが10月7日に決まった。新光三越信義新天地、台北101購物中心、ベラヴィータなどが林立し、既に飽和状態にあるとされる信義商圏の百貨店競争がさらに激しさを増しそうだ。統一阪急台北店は30代の働く女性を主要ターゲットに、中価格帯の日系ブランドを数多く導入して差別化を図り、初年度売上高40億台湾元(約105億円)を目指す。3日付経済日報などが報じた。
統一阪急台北店が入るMRT市政府駅ターミナルビル。8月のバスターミナル供用開始後、1階商店の業績は1.5倍~2倍に拡大したという(YSN)
統一阪急は2日、台北店に出店するブランドの陣容を発表した。303のテナントのうち20店が台湾初進出となる。全体の5割以上を日系ブランドが占め、既に宣伝活動を始めているユニクロのほか、ファッションブランドの「サマンサタバサ」や「フランシュリッペ」、宇治茶の老舗「つじり茶屋」、ファミリーレストラン「和食さと」など日本でも広く知られる各業界ブランドが出店する。
統一阪急台北店で、台湾に初めて出店する日本ブランドとしては、▽ココディール(レディースファッション)▽パープル&イエロー(カジュアル服)▽ヴァンドーム青山(宝飾品)▽アトリエはるか(トータルビューティサロン)▽クラチカ(吉田カバン専門店)──などが明らかにされた。なお、統一阪急は同店の平均客単価を3,000~4,000元と見積もっている。
王宝銘・統一阪急総経理によると、都市交通システム(MRT)市政府駅ターミナルビルに入居する台北店は、MRTやバスで通勤するサラリーパーソンが店内で朝食を取れるよう、一部の飲食店は午前7時30分から営業を行う。また、同ビルの上階に入る「台北Wホテル」と、女性宿泊客に対する優待サービス提供を行うことでも交渉している。同ビルは、衣食住・交通すべてを賄えることがアピールポイントとなる。
百貨店台湾最大手、新光三越百貨の主管は統一阪急の信義区進出に対し「新たな客層をもたらし、商圏の活性化につながる」と歓迎姿勢を示した。
ただ観測によると、新光三越は統一阪急がテナントを誘致している時期に、信義新天地の業者に対し統一阪急で出店をしないよう圧力をかけたとされる。これにより、統一阪急の誘致活動は順調に進まず、たまりかねた統一企業集団(ユニ・プレジデント)の林蒼生総裁が新光三越に対し、「誘致がうまくいかなければ、スターバックス、無印良品、ミスタードーナツなど統一傘下のブランドチェーンをすべて新光三越から引き揚げる」と訴えたという。
新光三越信義新天地は、統一阪急に対抗すべく10月末から始まる周年慶(創業祭)セールの終了後に大規模な改装を行うとの観測が出ているが、同社は「1店の新規出店のために、大規模な改装を行うことはない」とコメントした。ただ一方で「信義店は中国人観光客の貢献度が最も大きい店舗のため、来年見込まれる自由旅行解禁に合わせて改装を行う可能性はある」としている。
300億元とされる同商圏の市場規模は、統一阪急や、来年3月に予定されるATTスクエア(旧ニューヨーク・ニューヨーク)のオープンによって来年350億元まで拡大するとの予測もある。各百貨店が魅力を競う中、消費者にとってはショッピングの選択肢が増えそうだ。
【表】
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722