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毒蛇の出没、台中市で急増


ニュース 社会 作成日:2010年9月6日_記事番号:T00025086

毒蛇の出没、台中市で急増

 
 台中市で民家に野生の蛇が侵入し、消防隊が捕獲のために出動する騒ぎが急増している。下水道を通ってトイレの便器の中に姿を現した蛇や、粘着式ゴキブリ駆除用品にかかって身動きが取れなくなった蛇が発見されており、その数はここ数年で倍増している。

 これら「招かざる客」がコンクリートジャングルの都市部にまで出没するようになったのは、開発による自然環境の破壊が原因のようだ。ドブネズミやハツカネズミ、ヤモリなど小型動物を餌として都市部の生活に適応した蛇たちは、既に市街地で繁殖を行っている形跡もある。

 消防局によると、蛇が民家に侵入する事件は2006年から4年連続で増加。台中市の依頼で蛇の駆除にかかわっている台中市野鳥救傷保育学会によると、06年に年間34匹だった捕獲数は、09年には84匹と約2.5倍に増加。台中市内をすみかとし、身を潜めている蛇は8,000~1万匹に上ると推測される。

 台湾には約50種の蛇が生息するが、06~09年に台中市内で捕獲された蛇はうち17種。最も多かったのは猛毒を持つコブラで、4年間で135匹が「お縄」となった。次いで多かったのは、無毒のアオダイショウと同類のシュウダ(臭蛇)で44匹。第3位は、コブラ同様「台湾6大毒蛇」に数えられるアマガサヘビの41匹で、これら3種は都会生活への適応力が非常に高いことがうかがえる。

 またこれまで捕獲された蛇の中には、大型のボールニシキヘビやアカオボア(ボアコンストリクター)、色鮮やかなミルクヘビ、カリフォルニア・キングヘビなどの外来種も含まれ、台中県外埔郷では、体長6メートルのインドニシキヘビが見つかったこともあるとか。

 特にコブラは捕獲されるもののうち3割が外来種とのこと。コブラは保護動物であることから、ペットや食材として密輸されたものが、逃げ出したか捨てられた可能性が高いという。

 外来種が恐ろしいのは、毒蛇の血清は保存期限があり、台湾の医療機関で外来種の血清が常備されているとは限らないからだ。万一これら外来種の毒蛇にかまれた場合は、命を落とす危険もある。

 なお、蛇の出没ピークは9月。冬眠を前にして大量に餌を探すためで、民家での捕獲数も一番多い。特に台中にお住まいの方は都会だからと安心は禁物、蛇の訪問にはくれぐれもご注意を。