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作成日:2007年9月7日_記事番号:T00002511
うつ病患者、100万人を突破
中央健康保険局の統計によると、18歳以上の年齢層におけるうつ病の罹患率は、1998年から04年のわずか6年間に約3倍に増加した。目下、台湾のうつ病患者は100万人を突破していると推定される。
中山医学大学医学院精神科の頼徳仁教授によると、うつ病患者のうち完治するのは 16人に1人にすぎない。うつ病患者が初めて治療を受ける場合、最低でも半年以上継続しなければ効果がなく、患者が勝手に服薬を止めてしまうと、大脳の海馬領域での神経損傷が起こるため、再発率は6.5倍になり、病状をさらに悪化させることになってしまうという。 頼教授は、うつ病患者の多くが薬をきちんと服用しない理由について、患者自身が回復したと思い込んだり、服薬を面倒と感じたり、また、胃腸の具合が悪くなったりすると薬を飲まなくなってしまうためだと見ている。
うつ病の患者に対して、「頑張って」「気にしないで」などの慰めの言葉は禁物だ。かえって患者を追いつめ、最悪の場合自殺の誘因にもなりかねないという。台湾憂鬱症防治協会(TAAD)理事長で台北市立聯合医院松徳院区院長の陳喬琪氏は、医師と患者と家族の三者こそが黄金のトライアングル、治療における最強のチームだと指摘しており、患者がきちんと服薬するよう、家族も責任を持つよう呼び掛けている。
台湾憂鬱症防治協会では、うつ病患者のために各地で講座や展覧会などさまざまなイベントを実施。10月13日には台北市の信義華納威秀影城(ワーナービレッジ)でうつ病検査を行う予定だ。