台湾鉄路(台鉄)、永康駅~保安駅(台南県)の切符は、作家、張曼娟の短編小説「喜歓」(1999年)の中で「永保安康(永遠の平穏と健康)」をイメージさせる題材として取り上げられ、2000年にはフォルクスワーゲンがテレビCMで引用したことから、縁起のいい切符として広く知られるようになり、ピーク時には1日に1,000枚以上が売れる人気となった。
永康駅の切符売場では午前3時ごろから購入者が集まり始め、最長時には約1キロメートルにも及ぶ行列ができた(中央社)
とはいうものの最近ではブームも一段落し、切符を求める人も以前ほど多くなかった。しかし6日、突然ブームが再来した。1日で同区間の切符がなんと10万枚(郵便局の通信販売や予約販売の5万枚を含む)売れる事態となった。
実はこの日、永康駅では今年9月9日分の記念切符が発売された。これが人気再爆発の理由だ。以前この欄でもお伝えしたとおり、中華民国99年に当たる今年の9月9日は、中国語で「久(時間が長い)」と同音である「9」が4つ並ぶ。この日の永康駅~保安駅の切符を手に入れれば、「永保安康」をもたらす力がさらに強まるという訳だ。
台鉄は同記念切符は6日からの3日間で5万枚売れると見込んでいたが、わずか6時間で売り切れ、急きょ5万枚の追加印刷で対応したという。
同駅では2000年のブーム時にも記念切手を発売し当時15台湾元で発売された切符が、インターネットオークションで200倍の値がつくほどヒートアップした。しかしあまりにも暴騰したことに「ばからしい」との冷静な声も上がるようになり、現在この記念切符は同駅周辺の商店で150元で売られている。
今回の「9999」記念切符(販売価格21元)もきのう、さっそくネットオークションに600元で出品されていたが、前回の教訓が生きたのか、現在のところ入札者はいないという。