ニュース
政治
作成日:2007年9月7日_記事番号:T00002515
五輪聖火の台湾上陸に道筋、中国側が事実上譲歩
北京五輪組織委員会の蒋効愚執行副主席は6日、五輪聖火リレーの台湾経由問題に関連し、「聖火リレーのルートは域内、域外という2つの部分から成り、域外では22都市を経由する。台湾は域外の経由都市の一つだ」と述べた。台湾側の主張にも配慮した内容で、台湾への聖火上陸に道が開けた。7日付中国時報が伝えた。
蒋副主席の発言は、中台間の交渉結果を反映した発言とみられる。台湾側は行政院大陸委員会の陳明通主任委員が7日に記者会見して、交渉結果を明らかにする予定だ。
中国側の計画によれば、聖火はベトナムから台湾入りした後、香港、マカオに抜けることになっている。これについて、台湾側は当初、香港、マカオに抜けるルートは、台湾を中国の一省としておとしめるものだとして反発。第三国に抜けるルートに改めるよう要求したため、交渉はこう着状態に陥っていた。
中台双方は7月以降、国際オリンピック委員会(IOC)の仲裁の下で、文書交換の方式で交渉を重ね、妥協点を探ってきた。
中国は聖火リレーの通過都市を「五大陸の19都市と香港、マカオ、台湾」としていたが、これを「22都市」とし、台湾を「域外」扱いすることで交渉の妥結を図った。これを受け、台湾側も聖火が香港に抜ける当初ルートを容認したとみられる。
中国政府としては、台湾に聖火が上陸できない場合、台湾を自国領と主張する統一政策に泥を塗られることになるため、最終的に譲歩せざるを得なかった格好だ。