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石油・化学
作成日:2010年9月10日_記事番号:T00025216
呉行政院長、大型石化プラントの新規計画を否定
呉敦義行政院長は9日、国光石化科技(KPTC)が彰化県大城郷に計画している大型石油化学プラント(通称・八軽)の環境影響評価が難航する中、「台湾の石油化学産業に制限がないわけではない。たとえ八軽を建設しても、『九軽』の建設はあり得ない」と断言した。10日付聯合報が伝えた。
呉行政院長の発言は、大型石化プラントの新規建設を否定することで、国光石化のプラント建設に対する反対論を抑える狙いがあるとみられる。呉行政院長は「2005年に台湾とシンガポールは同時に石化産業プロジェクトを立ち上げ、シンガポールは既に操業を開始しているのに対し、台湾はまだ靴ひもを結んでいる段階だ」と述べ、国光石化プロジェクトの前進を改めて促した。
一方、国光石化の曹明総経理は、環境影響評価が大詰めを迎えている点について、「世界での最新で最も進んだ環境保護機能を備えた設備と技術を導入し、台湾の石化原料供給不足を補うという重責を担うことは、国家発展にとって重要な意味を持つ」と改めて強調した。
曹総経理はまた、プロジェクトが推進されれば、付加価値額が毎年4,600億台湾元(約1兆2,000億円)に達し、直接雇用機会が1万8,000人分、間接雇用機会が35万7,000人分創出されるほか、500億元の税収増が見込めるとの試算を示した。