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TSMC、Q4落ち込み軽微か


ニュース 電子 作成日:2010年9月10日_記事番号:T00025231

TSMC、Q4落ち込み軽微か

 
 ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は、第4四半期の業績低下が予想よりも軽微で済むという観測が出ている。中国の国慶節(建国記念日)の連休需要によって受注が戻っているためで、前期比1割減の可能性も指摘されていた第4四半期売上高が、数%の落ち込みにとどまるとの見方だ。10日付電子時報が報じた。
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 パソコン市場の需要減速、北米消費者市場の景気足踏み、新学期シーズン需要の盛り上がり不足などの要因により、このところ川下顧客による半導体調達に陰りが出ていたため、これまではTSMCと聯華電子(UMC)は第4四半期、稼働率が90%前後に低下し、前期比10%以上の減収に見舞われるという観測が広がっていた。

 しかし、ある半導体業者によると、国慶節連休が近づく中、川下顧客の需要回復を受けて、この間抑制していたファウンドリーへの発注を解く状況になっている。特に携帯電話用チップメーカーが、国慶節需要に手応えを感じているという。なお、中国の季節需要では、春節(旧正月)と労働節(メーデー)連休は以前ほどの効果がなくなったものの、国慶節連休は依然、需要を喚起する力が強いようだ。

「見通し確定は10月」

 一方、半導体業者は今回の需要回復について、半業態業界の今後の市場見通しが好転したとまでは言えないと指摘した。あくまで最近の見通しが過度に慎重だったことへの反動で、ファウンドリーの第4四半期の受注状況は、10月末になって確定するとの見方だ。

 TSMCは10日、第4四半期の受注について、第2四半期、第3四半期と変わりないとの見解を示しつつ、実際には10月第3週になって見通しを確定できると説明した。

 第4四半期の設備稼働率は、同社、および証券会社ともほぼ100%との見方だ。外資系証券会社の中には、第4四半期中に緊急受注が舞い込むとの見方もある。

 なお、同社は第3四半期の売上見通しを1,090億~1,110億台湾元(約2,860億~2,910億円)と予測している。8月、9月は売上高がやや低下するものの、第3四半期業績は予測の上限に近い水準に達すると好感している。

【表】