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ASUS、中国ノート市場で初の2位


ニュース 電子 作成日:2010年9月13日_記事番号:T00025260

ASUS、中国ノート市場で初の2位

 
 市場調査機関IDCの調べによると、華碩電脳(ASUS)は第2四半期、中国ノートパソコン市場で約80万台を販売して11.5%のシェアを獲得、聯想集団(レノボ)に次いで初めて2位に入った。今後2年で米国を抜いて世界最大のPC市場に成長すると予想される中国では、デルと宏碁(エイサー)を含め各社がシェア拡大に注力する構えで、競争のさらなる激化が予想される。13日付蘋果日報が報じた。
 
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 中国ノートPC最大手、レノボの第2四半期シェアは35.2%で、現段階で首位の座は揺るぎないものとなっている。一方、世界最大手の米ヒューレット・パッカード(HP)は、品質問題で消費者の不満が高まり、中国市場での勢力を弱めている。

 上半期は商用PCの需要期だったことから、同機種に強いレノボ、デルが大きくシェアを伸ばしたが、第2四半期はこれまで一般消費者を主要ターゲットとしてきたASUSがデルを抑えて2位に入った。ASUSは今月、ビジネス専用設計のノートPCであるPシリーズ、Bシリーズを中国市場に投入。ビジネス市場および教育市場での商機獲得を期待しており、同社中国ノートPC事業群の石文宏総経理は、「今年はシェア1ポイント拡大が目標」と語った。

 中国ノートPC上位5ブランドのうち、直営のアフターサービス拠点を展開しているのはレノボとASUSのみだが、現在中国全土に1,000カ所以上の拠点を抱えるレノボに対し、ASUSは現在直営、代理店、外部委託による500カ所となっている。ASUSは今後2年以内にこれを1,000カ所に倍増させる計画で、石総経理は「中国市場で大きな成長を遂げるには『品質』と『サービス』が欠かせない」と強調した。

全体の25%が中国向けに
 
 石総経理によると、中国市場のPC需要は、夏休みシーズンに当たった今期は前年比50%成長、第4四半期も同水準の成長が見込まれる。世界市場では需要の低下が見られる低価格ノートPC(ネットブック)が、中国では依然一定の販売量を維持していること、さらに一部地域では1台目のPCとして選択されている状況があるためだ。

 中国市場におけるASUSのノートPC販売台数は今年、昨年の約240万台から350万~400万台まで成長し、世界全体の販売量の20~25%を占める見通しだ。

「国慶節効果は期待できない」
 
 ただ同日付電子時報によると、ASUSの楽観見通しとは逆に、10月の中国・国慶節(建国記念日)連休に向けたPC需要はそれほど盛り上がっていないとの観測が出ている。

 昨年、PCブランドの在庫水準は通常の状態で30日分、国慶節前の9月末に50日前後まで上昇、連休後に30日水準に戻った。しかし今年は第2四半期末時点で既に在庫水準が50日を超えており、夏休みシーズンも不振だったことで現在、中国末端市場の在庫水準は56日分に上昇しているという。このことから、末端市場では今後1カ月は旧機種の消化が続き、ブランドメーカーは大量出荷が見込めないとの業界関係者の見方を伝えている。
 
【図】