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作成日:2010年9月14日_記事番号:T00025287
中小型液晶パネル、円高で日本から受注増
第3四半期に入って円相場が大幅に上昇していることを受け、ソニー、東芝など日本の液晶パネルメーカーが、奇美電子(チーメイ・イノルックス)、中華映管(CPT)、友達光電(AUO)など台湾メーカーへの中小型パネルの生産委託を急速に拡大している。特に中華映管は8月、中小型パネルの出荷枚数が前月比30.4%増の3,714万枚で、奇美電を初めて上回り、AUOにも倍近い差をつけるなど最も恩恵を受けている。14日付経済日報が報じた。
台湾のパネルメーカーは第3四半期、大型パネルの生産量を制限し、相次いで中小型パネルの出荷を増やしているが、中小型パネルの業績好調はハイシーズンに入ったことだけでなく、日本メーカーからの受託増加が大きな要因となっているようだ。奇美電の許庭禎・モバイル部品製品事業処長、中華映管の玉鴻典・中小事業部副総経理ともに「円高によって日本から台湾への委託が確実に増えている」と語っている。
業界関係者によると、日本の液晶パネル工場は早い時期に設置されたため自動化の水準が低い上、人件費が高く、競争力は台湾に遠く及ばない。このため日本メーカーは液晶テレビ用大型パネル後工程モジュール(LCM)の生産を、早くから人件費の安い中国に移転しているという。