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嫌とは言えない花博サポート、台北市が「記名式」で希望者募る


ニュース 社会 作成日:2010年9月17日_記事番号:T00025352

嫌とは言えない花博サポート、台北市が「記名式」で希望者募る

 
 台北市で11月6日から開催される「2010台北国際花卉(かき)博覧会(花博)」で、市政府が職員に対して花博業務のサポートに出ることを希望するか否かを問うアンケート調査を「記名式」で実施し、市職員から不満の声が上がっている。もし「希望しない」と記入すればチェックされて今後の評価に響くのではないかという懸念があり、事実上サポートを強制しているのと同じではないかという訳だ。

 かといって、花博開幕に向け市職員の多くは既に業務量が激増しており、「希望する」と記入してさらに仕事が増えるのは勘弁してほしいというのが本音のようだ。

 教育局のある職員は「希望しない」と記入したにもかかわらず、「来月のテスト運営から来年4月の花博終了までの期間中、市職員は交替で花博の展覧館の当番に当たるべし」との通達があったという。当番のシフトでは、夜は午後11時までの勤務となるため、子どものいる職員は頭を抱えているようだ。

 徐佳青台北市議(民進党)は「この調査は、市職員に参加を脅迫しているのと同じで、(花博を成功させ市長選を有利に戦いたい郝市長が)公務員を道具として利用している」と批判。徐永明・東呉大学政治学科助理教授も、「アンケート調査で公務員の個人情報を残すというやり方は不適当で、暗に参加を強制するもの」とコメントした。

 これに対し、市産業発展局は「記名式にしたのは職員の現況を理解し、人員を手配しやすいようにするためで他意はない」と弁明している。一方、趙心屏・同市報道官は、「花博は国際的なイベント。成功させるために公務員を動員するのは、当然で正当なこと」と強気だ。「高雄市で開催された『ワールドゲームズ』や、宜蘭県の『宜蘭国際童玩芸術節(童玩節)』でも100人以上が動員されたが『強制』なんて声は聞いたことがない」と反論した。

 急ピッチで準備が進められている花博だが、ネット上では花博を風刺する動画も数多くアップされてアクセスを集めており、どうも市民全体のバックアップを受けての開催とは行きそうにない。