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TSMC、薄膜太陽電池工場を着工


ニュース その他製造 作成日:2010年9月17日_記事番号:T00025379

TSMC、薄膜太陽電池工場を着工

  
 台湾積体電路製造(TSMC)は16日、中部科学工業園区(中科)台中園区で同社初のCIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン)薄膜太陽電池工場を着工した。聯華電子(UMC)も同日、TSMCに対抗する形で、8月末より生産を開始した傘下の結晶シリコン太陽電池メーカー、聯景光電(トップセル・ソーラー・インターナショナル)の開業セレモニーを行った。ファウンドリー大手2社は、太陽エネルギー事業でも本格的な競争に突入した。17日付工商時報が報じた。
 
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くわ入れを行う張董事長(左3)。2015年段階で太陽電池事業の売上比率1割を目指す(16日=中央社)
 
 TSMCは工場とともに薄膜太陽電池技術の研究開発(R&D)センターも着工した。建設は2期に分けて行い、投資額2億5,800万米ドルで進める第1期は、来年第2四半期に完成・設備搬入、2012年に太陽電池モジュール200メガワット(MW)の生産を予定している。その後の第2期分を合計すると生産量は700MWに達し、さらに3~5年以内に1ギガワット(GW)を目指す。

 着工式で張忠謀董事長は、「競争力を持つ技術の開発に自信がある」と抱負を語った。また、蔡力行・新事業総経理は、「5年後に太陽電池の次世代技術を導入し、世界5大メーカーの仲間入りを果たしたい」と語った。 TSMCは太陽電池分野では、結晶シリコン太陽電池の台湾最大手、茂迪科技(モーテック・インダストリーズ)に20%、米国のCIGS薄膜太陽電池モジュールメーカー、Stionに21%の出資も行っている。
 
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中国事業で大幅リード
 
 UMC傘下のトップセルは、来年第3四半期段階で、生産能力が800MWと大幅に拡大する。

 UMCは太陽電池分野では、薄膜太陽電池の聯相光電(ネクスパワー)も擁するほか、中国での事業展開でTSMCを大幅にリードしている。

 同グループは山東省済寧を太陽エネルギー事業の拠点に据えており、ネクスパワーの35MW規模の工場のほか、年間発電量70MWの薄膜太陽光発電所の建設も進めている。発電所は既に18MW規模で送電を始めており、今後は華北や西部でも建設を計画している。

 聯電新投資事業公司の頼俊麟シニア副総経理によると、同グループの太陽電池事業は、R&Dを含む川上分野は台湾に集中させ、川下分野は顧客に近い場所でサービスを展開する方針だ。

 頼副総経理はまた、世界全体の太陽エネルギー市場は今後5年、3~4割の年平均成長率を記録するとの認識を示した。トップセルは来年第3四半期の800MWの生産分もすべて受注済みで、ネクスパワーも受注に応じ切れない状態になっているという。
 
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