円高の影響で日本人の海外での消費力が増す中、台湾を訪れる観光客が増えている。今後10月31日の台北松山空港~羽田空港線就航、11月6日開幕の「2010台北国際花卉(かき)博覧会(花博)」などもあり、交通部観光局は通年の来台日本人数は延べ100万人を突破すると予想している。これに年間延べ150万人を超えるとみられる中国人客などを加えると、今年の来台外国人旅行者数は前年比36%増の延べ600万人に達する見通しだ。21日付経済日報などが報じた。
11月の開幕に向け準備が進む花博会場。観光局は日本人の訪問に期待しているが、果たして成果は挙がるだろうか(中央社)
この数年、来台する日本人観光客は不景気の影響で減少を続けていたが、観光局の統計によると、今年1~8月に台湾を訪れた日本人旅行者は延べ69万538人で前年同期比8.21%増となった。大幅な円高を受けて日本人の海外旅行が増えたことが要因とみられる。
これにより、消費力の高い日本人客をターゲットとしている、▽国賓大飯店(アンバサダー・ホテル)▽六福皇宮飯店(ザ・ウェスティン・タイペイ)▽台北晶華酒店(グランド・フォルモサ・リージェント・タイペイ)▽亜都麗緻飯店(ランディスホテル)──など高級観光ホテルは、業績に恩恵がもたらされているとみられる。
中国客、既に100万人突破
一方、中国政府は最近、11月に台湾で行われる5直轄市長選への影響を避けるため、国民への台湾旅行奨励を控えている。しかし、昨年通年で延べ97万2,123人だった来台中国人旅行者数(香港・マカオ除く)は今年、8月までで既に延べ100万人を突破。通年で約50%増加が見込まれ、観光業界へのプラス効果が期待されている。
あるホテル業者は、今年、日本人旅行者数が延べ100万人に達し、中国人旅行者数が同150万人を超えた場合、20%以上の売上増が見込めると指摘。高い消費力を持つ日本人旅行者を扱う業者は、特に利益拡大が期待できるとしている。
東京・名古屋で観光宣伝
観光局は20日より、「旅行台湾・感動100」と銘打ったプロモーションで、150人の旅行関連業者とともに訪日している。東京・名古屋で台湾旅行説明会を行う予定で、羽田~松山航空路線の就航や花博開催のほか、花蓮・台東県で行われる「台湾自行車節(台湾サイクリングフェスティバル、10月16~24日)、来年2月17日に苗栗県で開催される「台湾灯会(台湾ランタンフェスティバル)」などを紹介して、観光客のさらなる呼び込みを図る。