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台風一過の中秋節、南北で明暗くっきり


ニュース 社会 作成日:2010年9月23日_記事番号:T00025441

台風一過の中秋節、南北で明暗くっきり

 
 きのう22日の中秋節(旧暦8月15日)は天候に恵まれ、台湾全土で美しい満月を見ることができた。北部では各地で中秋節定番のバーベキュー大会が開催されたが、台風11号(アジア名・ファナピ)が大きな爪跡を残した南部では名節ムードはなく、バーベキューに興じる人はごくわずか。明暗がくっきりと分かれた。

 台北市では中秋節を祝うため、市内11カ所の河川敷が開放され、基隆河沿いにある大佳河浜公園では約3,000人がバーベキューを楽しんだ。市内の焼肉店は予約もなかなか取れないほどの盛況だった。

 台北県や台中県・市でも、バーベキュー大会や人気歌手によるコンサートなどのイベントが盛大に開催され、多くの人々が陽気に中秋節を祝った。

 一方、南部はお祝ムードとは対照的だった。高雄市内の伝統的な平屋住宅、三合院に暮らし、23日に軍隊入隊を控えた陳振玄さん(18)は、台風で自宅が全壊。母(48)と妹(16)を連れ、2時間かけて親せき宅へ避難した。ここ数日は自宅の修復に忙しく、ほとんど食事をする間もなかったが、中秋節の夜は入隊の送別会も兼ね、ようやく祖母らが用意してくれたまともな食事が取れたという。
 
 深刻な浸水被害を受けた高雄県岡山鎮では復旧が進まず、「三日三晩片付け続けてもまだ終わらない」と嘆く住民も。水に漬かったバイクが次々と持ち込まれたバイク店では、店主が休み返上で修理に当たった。屏東県林辺郷では村全体が1メートルも浸水し、水は引いたものの「家具がすべてだめになった」という家もある。 

 とはいえ、中には「中秋節を祝う気持ちにはとてもなれないが、子どもたちのために」と、復旧作業の疲れを押してバーベキューをする被災者の姿も見られた。浸水被害を受けた人たちに、1日も早く平穏な日常が戻ることを祈るばかりだ。