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TSMCの11年設備投資、60億ドルに拡大も


ニュース 電子 作成日:2010年9月23日_記事番号:T00025469

TSMCの11年設備投資、60億ドルに拡大も

 
 ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)が来年の設備投資額を過去最高の60億米ドルに拡大するとの観測が、半導体設備メーカーより出ている。豊富な資金力によって40・28ナノメートル製造プロセス製品のシェアを拡大し、ファウンドリー業界で絶対的な優位を築くことが狙いとみられている。23日付経済日報が報じた。
 
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 設備メーカーによると、TSMCは来年の設備投資の重点項目は、▽Fab15工場(中部科学工業園区)の生産設備据え付け▽Fab12工場(新竹科学工業園区)第6期計画の始動▽薄膜太陽電池工場▽発光ダイオード(LED)の研究開発(R&D)・生産──。

 TSMCは今年、設備投資額を過去最高の59億米ドルと、昨年の27億6,000万米ドルから2倍以上に引き上げており、観測が事実であれば、来年も今年並みの投資を維持することになる。 張忠謀同社董事長は先日、来年の世界全体の半導体市場の成長率は5%と、今年の30%から大幅にペースダウンするとの見方を示している。こうした中、今年を上回る投資を行うのは、ファウンドリー分野でグローバル・ファウンドリーズ(GF)やサムスン電子などライバルメーカーとの差を拡大する意図に基づいたものとみられる。設備メーカーによると、TSMCは今年、売上高と利益が過去最高となり、手元に2,000億台湾元(約5,400億円)の現金があるという。

 なお、TSMCは22日、来年の設備投資額は来年1月の業績説明会で公表すると表明した。

 ゴールドマン・サックス証券の呂東風アナリストによると、ファウンドリー業界の生産能力は、生産拡大競争によって2014年には現在の3倍に達する見通しだ。そして、TSMCが競争に勝ち抜くためには、11年から15年にかけて毎年60億米ドルの投資を続ける必要があると指摘した。

半導体需要、来年Q1に低下
 
 曽繁城TSMC副董事長は21日、半導体市場の当面の展望について、来年第1四半期は今年第4四半期よりもやや落ち込むとの見方を示した。また、今年の半導体市場の景気動向を「正常ではない状態」とした上で、来年に正常を回復をできるかは依然観察が必要と語った。

 曽副董事長はまた、同社が開発を進める28ナノメートル製造プロセスについて、「ファウンドリーにとって革命的な突破であり、当社のメタルゲート技術の28ナノ製品は予定通り来年上半期に量産となる見通しだ」と語った。

 曽副董事長はTSMCの上海拠点の董事長も兼任している。上海・松江工場は月産能力を今年末で5万枚、来年は6万枚に引き上げる方針を示した。
 
【図】