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作成日:2010年9月24日_記事番号:T00025470
中国人観光客を蔑視?立法院が裏口からの出入り強制

日本の国会に相当する立法院が、今年6月から院内のレストラン「康園餐庁」を利用する中国人ツアー客に対し、正門ではなく通用門から出入りするよう規定していることが分かった。立法院はこの措置について安全のためと説明しているが、中国人客からは「二等客扱いだ」などと不満の声が相次いでいる。
康園餐庁での食事はいわば「人民大会堂で食事をする」ようなもので、立法院は中国人客の人気観光スポットとなり、コースに組み込まれることも多い。
康園餐庁によると、中国人観光客を当て込んで旅行社と契約したところ、今年に入って売り上げが5割以上アップ。訪れた中国人観光客が3,000人に達した月もあったほどだ。
ところが6月、立法院総務処はレストラン側に対し、中国人観光客は立法院の正門ではなく通用門から出入りさせるよう通達。康園餐庁は立法院との契約にそんな項目はないと抗議したが、総務処は取り合わないばかりか、違反の有無を確認するため正門の向かいに新たな監視モニターを設置。警備員に対しても、中国客が正門から入ろうとした場合、力ずくで阻止するよう指示したという。
この規定ができて以来、中国客とのトラブルが多発するようになった。つい先日も重慶市から来た中国人ツアー一行が、「オレたちは金を払っているのに、なぜ正門から入れない?」「台湾はサービスが『売り』なんじゃないの?」と抗議が続出した。
しかもこの通用門、狭い上にちょうどトイレのそばに位置することから、通る際ににおいが鼻を突く。こんな場所からの出入りを強要され、食事を拒否する客も。
総務処によると、立法院を見学する際には身分証と引き換えに入場許可証を取得する必要がある。しかし、レストランのみを利用する場合は許可証が不要なため、安全面を考慮して台湾人であろうと外国人であろうと正門からの出入りを禁じており、中国人だけを差別しているわけではないとしている。
とはいえ、立法院が中国人客を特に歓迎するつもりはないこと明らかで、あるガイドは、「康園餐庁への案内はもうやめた。だって彼ら(中国人客)に来てほしいと思っているレストランは山ほどあるんだから」と語る。康園餐庁は立法院との契約にもあるように、「立法委員と立法院の従業員を優先してサービスする」ことに専念するしかなさそうだ。