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インベンテック、太陽電池に参入


ニュース 電子 作成日:2010年9月29日_記事番号:T00025588

インベンテック、太陽電池に参入

 
 ノートパソコン受託生産大手、英業達(インベンテック)が28日、多結晶シリコン太陽電池市場への参入を発表した。資本金60億台湾元(約160億円)の合弁会社を設立し、来年上半期に生産能力180メガワット(MW)で稼働する計画だ。太陽電池市場には台湾積体電路製造(TSMC)、聯華電子(UMC)などハイテク大手も数多く参入しており、台湾メーカーによる結晶シリコン太陽電池の生産能力は来年9.8ギガワット(GW)へと倍増し、需要を上回るとの懸念も出ている。29日付工商時報などが報じた。
 

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 新会社の英穏達は、設立時の資本金として30億元を予定している。グループ会社の出資額は、▽インベンテック、10億5,000万元(出資比率35%)▽インベンテック100%出資の英源達投資(インベンテック・インベストメンツ)、1億5,000万元(同5%)▽英華達(インベンテック・アプライアンシズ)、3億元(同10%)▽無敵科技(インベンテック・ベスタ)、1億5,000万元(同5%)──で全体の55%を占め、このほか、穏懋半導体(ウィン・セミコンダクターズ)が7億元(同23%)以内の出資を予定している。英穏達は桃園科技工業園区に工場を設置し、蘋果日報によると早ければ来年第1四半期に、経済日報によると来年5〜6月に稼動予定だ。

ノート受託メーカーで初参入
 
 インベンテックはノートPC受託メーカーとして初めて太陽電池に参入することになる。同社は参入を決めた理由について、環境保護・省エネ意識が高まる中、再生可能エネルギー分野で特に成長率が高いためと説明した。また、現在主力の受託生産事業は売上規模や成長力は大きいものの、利益率の低下が続き、リスクとリターンがつり合っていないと指摘した。李詩欽董事長も以前より、▽ノートPC受託生産▽サーバー受託生産▽スマートモバイル機器や発光ダイオード(LED)、グリーンエネルギーなど新分野──の3大事業方針を示していた。

 インベンテック以外では、ファウンドリーのTSMCが茂迪科技(モーテック・インダストリーズ)の筆頭株主となり、モーテックの生産能力は今年1.15GW、来年1.7〜2.0GWへの拡大が見込まれる。UMC傘下の聯景光電(トップセル・ソーラー・インターナショナル)も、今年の150MWから来年第3四半期時点で800MWへと大幅拡大させる計画だ。ハイテク大手による太陽電池市場参入が後押しし、主な台湾メーカー全体の生産能力は今年4.9GW、来年は9.1〜9.8GWに達する見通しだ。

 一方、市場調査機関、ガートナーの予測によると、来年の世界全体の生産能力は20GWに達するものの、市場の需要は16GWにすぎないと予想されている。世界の生産能力の約半分を占める台湾勢も、供給過剰に直面する恐れがある。
 
【表】